安藤梢選手

母校・宇都宮女子高での教育実習中にサッカー部員にアドバイスする安藤選手(左)=2004年9月

安藤梢選手 母校・宇都宮女子高での教育実習中にサッカー部員にアドバイスする安藤選手(左)=2004年9月

 多くの高校生が大会に向けて努力を重ねていたはず。チャレンジする場が失われたことは本当に残念なことだと思います。でも、大会ができてもできなくても皆さんの人生は続いていきます。ここから先、何ができるかが大切だと思います。

 私は高校時代、最後の関東大会に出場していません。同時期に日本代表に選出されたためです。当時は「共に過ごした仲間たちと最後の試合を戦いたい」気持ちと「代表入りした名誉」の両方が自分の中にあり、どちらを選択するか最後の最後まで迷っていました。

 そんな時、高校の仲間たちが話し合いをして「日本代表として行ってきてほしい」と背中を押してくれました。それで心が決まり、代表に行っても思い切りプレーすることができました。あの時に強く感じた仲間の存在、仲間が掛けてくれた言葉。全てが大切な思い出として今も心に残っています。

 当時の仲間は、今でも私のことを応援してくれています。最後の大会で一緒に戦うことはできませんでしたが、マイナスな思いは残していません。3年間の部活動で得たものは、とても大きかったと感じています。

 今回の事態は誰のせいでもありません。みんなが我慢している。この時期をどう過ごし、乗り越えていくか。今、皆さんは試されています。

 ポジティブに考え、乗り越えられれば、自分自身の自信にもつながっていくはずです。今回、大会自体はなくなったけれど、そのために過ごした仲間や時間が失われることはありません。誇りを持って前に進んでほしいと願っています。

 ◆プロフィル 1982年生まれ。宇都宮市出身。2004年アテネ大会から3大会連続で五輪に出場。11年ドイツW杯では主力として初優勝に貢献。