食堂棟の再建場所に立つ高林さん

那珂川の増水で大きく浸水した「大瀬観光やな」=2019年10月13日

食堂棟の再建場所に立つ高林さん 那珂川の増水で大きく浸水した「大瀬観光やな」=2019年10月13日

 昨年10月の台風19号の大雨による那珂川の増水で大きく被災し、営業を休止していた茂木町大瀬の「大瀬観光やな」で、全壊した食堂棟の再建が決まり、9月の開業へ近く工事に入る。先に復旧した別棟では1日から仮営業が再開した。同やなは町の観光の目玉で、毎年県内外から5万人ほどの利用客があり、町も再建に期待している。今年はやなを設けることができないが、来年の完全復活を期している。

 台風19号の増水では、やな一帯が深さ約5メートルの濁流にのまれ、264席あったメインの食堂棟も鉄骨の骨組みを残して全壊した。

 新食堂棟は同じ場所に鉄骨で約3.5メートルの高さにかさ上げして建て、2階を食堂と厨房(ちゅうぼう)にして那珂川の増水に備える。厨房が同じフロアに置かれるため、席数は180と約3分の2に狭くなる。2階の食堂までは車いすで上がれる長さ36メートルのスロープでつなぐ設計にした。

 同社の高林辰彦(たかばやしたつひこ)社長(44)は「水害を考えればもっと高くしたいが現実は難しい。やなは今年は無理だが、アユは上流のやななどから仕入れ、可能な限り那珂川の天然アユを提供したい」と話す。5日に地鎮祭、8日ごろ着工し、9月下旬の再開を目指す。

 建設費約1億円のうち一定額を国の補助で賄えるよう申請している。流失した炉端焼き棟も来季の再建を目指すという。新食堂棟隣の現厨房棟は先行して復旧し、1日から2階で食事の提供を始めた。

 町商工観光課は「新型コロナウイルスの影響で自粛していた県をまたぐ移動も再開する。PR等でバックアップしていきたい」としている。高林社長は「水害直後は近所や町内の方に片付けてもらい本当にありがたかった。役場にも商工会にもお世話になった。いろいろな方の協力でここまで来られた」と感謝した。

 (問)同やな0285・63・2885。