日光東照宮を訪れたマスク姿の参拝者=20日午前10時半、日光市山内

来店客に手指の消毒を求める「来らっせ」のスタッフ。昼過ぎには待ち時間が90分となった=20日午後1時半、宇都宮市馬場通り2丁目

日光東照宮を訪れたマスク姿の参拝者=20日午前10時半、日光市山内 来店客に手指の消毒を求める「来らっせ」のスタッフ。昼過ぎには待ち時間が90分となった=20日午後1時半、宇都宮市馬場通り2丁目

 県境をまたぐ移動自粛が全面解除されて最初の週末となった20日、日光の社寺や宇都宮のギョーザ店など栃木県内観光地には県外客が戻り始めた。新型コロナウイルスの存在を前提に新しい日常を築く「ウィズコロナ」の時代へ-。本県ブランドを支える事業者は期待と不安を胸に、感染対策と社会経済活動の両立へ決意を新たにした。

 世界遺産「日光の社寺」の日光東照宮には、午前中からマスク姿の参拝者が次々と訪れた。東京都江東区から小学4年の長女と車で訪れた会社員石井祐紀(いしいゆき)さん(37)は「学校も分散登校で神経を使っている中、子どもに外出させてあげたかった。空気がおいしくて感動です」と笑顔を見せた。

 東照宮によると20日の参拝者は3767人。昨年同時期の6割ほどだが、今月1日の参拝再開以降、最多となった。消毒液配備など感染対策を徹底しており、稲葉尚正(いなばたかまさ)権宮司(51)は「職員はまだまだ緊張感を持っており、一層気を引き締めて対応していく」。

 19日以降、営業を再開した宿泊施設が増えた鬼怒川温泉。土産品・レストラン「鬼怒川温泉つるや」(日光市鬼怒川温泉大原)の酒井真弓(さかいまゆみ)さん(42)は「予想以上にお客さまが多かった。(感染の)不安はあるが、活気が出てきたのはやっぱりうれしい」と目を細めた。

 「待ち時間は約90分です」。20日昼、宇都宮餃子(ぎょーざ)会の直営店「来らっせ本店」(宇都宮市馬場通り2丁目)。午前11時の開店前から多くの家族連れや若者が足を運び、ギョーザの街が日常を取り戻しつつあった。

 しかし、長い待ち時間でも行列はない。同会は順番が近づくと客の携帯電話に通知する発券予約システムを導入。卓上の調味料は客ごとに消毒を徹底する。

 妻と電車で訪れた埼玉県三郷市、自営業星野伸二(ほしのしんじ)さん(63)は「久しぶりの県外旅行。次は鬼怒川温泉へ足を運びたい」と笑顔。吉田昭久(よしだあきひさ)店長(55)は「お客さまに安心して食事を楽しんでもらいたい」と表情を引き締めた。

 県道那須高原線(那須街道)では、久々に渋滞が発生。午前11時ごろから広谷地交差点を起点に約400メートルほど列ができた。街道沿いの店舗にもにぎわいが戻りつつある。

 那須町高久甲のチーズガーデン那須本店の吉田史織(よしだしおり)さん(30)は「懐かしい感じ。今日を皮切りに、また一から人の流れ取り戻したい」と気持ちを新たにしていた。