加盟店の店頭に掲示されるポスター。ポイント還元制度は今月末で終了する=24日午後、宇都宮市松原2丁目

 昨年10月の消費税増税に合わせてスタートしたキャッシュレス決済時のポイント還元制度が、今月末で終了する。県内の加盟店は1万3674店に上り、「新規の集客につながった」と効果を実感する声が上がる。一方で、制度期間の後半は新型コロナウイルスの感染拡大が影響し、利用客数も大幅に減少。「キャッシュレス社会」の浸透に影を落とした。

 還元制度は制度に登録した加盟店でクレジットカードや電子マネーなどで支払うと、最大で購入額の5%がポイントで戻ってくる。経済産業省によると、昨年10月1日からポイント還元を開始した県内の加盟店登録数は5909店だったが、今年6月11日時点で倍増した。

 宇都宮市内などで7店舗を展開する農産物直売所「やさい&くだもの村」は制度開始を機に、2種類のQRコード決済を導入した。担当者は「新規のお客さまが増え、売り上げにもつながった」と話す。各店舗でのキャッシュレス決済の利用率は平均で約10%。若い世代の利用が多い店舗では、20%ほどになるという。担当者は「制度終了後も客足が定着する感触はある」と実感していた。

 還元制度中、国の補助でキャッシュレス決済事業者が加盟店から受け取る手数料は抑えられている。制度終了後は手数料が引き上げられる可能性もあり、加盟店の中には負担増を懸念する声がある。同社の担当者も「将来的な不安はある」と明かした。

 「還元制度が陰に隠れてしまった」。日光市上鉢石(はついし)町で土産物などを扱う「あさやレストハウス」の亀田祐司(かめだゆうじ)社長(67)はため息をつく。導入直後は訪日外国人など観光客によるキャッシュレス決済の利用頻度が確実に増えていたが、新型コロナの感染拡大に伴って客足は大幅に減った。亀田社長は「コロナがなければずっと利用は増えていたと思うが、今はお客さんが戻ってくることが先だ」と声を落とした。

 小山市城山町3丁目の宝飾店「サロン・ド・サセ」の担当者も「コロナ禍でなければ、制度終盤の駆け込み需要に合わせて案内も出せるが、今はそういった状況ではない」と冷静に受け止め、「制度がもう少し延長してくれればいいのに…」と嘆いた。