【小山】任期満了に伴う市長選は5日の投票に向け終盤戦に入った。6選を目指す無所属現職の大久保寿夫(おおくぼとしお)氏(71)=自民、公明推薦=が知名度を生かして先行し、弁護士で無所属新人の浅野正富(あさのまさとみ)氏(63)が多選批判を追い風に猛追している。新型コロナウイルス感染防止のため両陣営とも大規模な集会を控える一方、無党派層を意識したポスティングや会員制交流サイト(SNS)での舌戦が活発化している。

 「小山を変える」と訴え農水官僚から故郷の市長に転身して5期20年。大久保氏は数々の実績が周囲に評価される一方で、その在任期間の長さがクローズアップされている。陣営幹部は「多選批判がボディーブローのように効いている」と、守勢に立たされているとの認識だ。

 だが「先行資産は守り切れる」ともいう。地元選出の佐藤勉(さとうつとむ)衆院議員を頂点に自公の県議4人、定数30の市議会から22人が選対入りしており、各種団体からの推薦状は1日現在で442通。圧倒的に有利な組織力を生かし、企業訪問などで基礎票を固めている。

 政党に推薦や支持を求めない浅野氏の陣営は、現職政治家が無所属の中屋大(なかやだい)県議と市議3人のみ。浅野氏と市民活動でつながりのある個人や、立憲民主党の一部が陣営を支えている。選挙戦に入ってからは、若手企業経営者の姿も目立つようになった。

 本人は街頭演説を積極的にこなす一方、陣営では多選の弊害を訴えるチラシをポスティングし始めた。陣営幹部は「人口が多い市街地で特に反応がいい。感覚としては接戦だ」との認識を示していた。

 投票率について両陣営は、過去最低だった前回の34.89%は上回るが、コロナの影響で40%前後との見方で一致している。しかし、5月の鹿沼市長選では事前の予想を大きく上回ったばかりか、前回をも上回る55.59%だった。前回投票しなかった無党派層の動向が勝敗の鍵を握りそうだ。