守備位置に入る鹿沼の木村=鹿沼商工高グラウンド

四回に右前打を放ち、ベンチに笑顔を見せる鹿沼の木村=鹿沼商工高グラウンド

チームメートと記念撮影する鹿沼の木村(前列中央)=鹿沼商工高グラウンド

守備位置に入る鹿沼の木村=鹿沼商工高グラウンド 四回に右前打を放ち、ベンチに笑顔を見せる鹿沼の木村=鹿沼商工高グラウンド チームメートと記念撮影する鹿沼の木村(前列中央)=鹿沼商工高グラウンド

 県立学校の部活動の対外試合が解禁されて初めての日曜日となった5日、栃木県内の高校硬式野球部で唯一の3年生女子部員がグラウンドで躍動した。鹿沼市内で5日に開かれた上都賀地区交流戦で、鹿沼の木村百伽(きむらももか)が「9番・二塁手」で出場。右前打を放って好守も披露し、「チームメートとプレーできて幸せ」と気持ちいい汗を流した。

 18日に開幕する県交流試合。上都賀地区では“本番”に向け6校による交流戦を2週にわたり実施。5日は鹿沼商工高グラウンドで同校と鹿沼、鹿沼南が対戦した。

 「百伽につなげ!」。鹿沼南戦の一回裏。ベンチの声に応え、8番高橋力(たかはしちから)が四球を選び、2死一、二塁で木村が打席に入った。惜しくも一飛に倒れたが、四回は右前打で出塁。得意のバントも決め、守備では中前に抜けそうな打球に食らいついて処理した。

 木村は1歳上の兄でOBの太紀(もとき)さんの背中を追い、小学3年生から野球を始めた。日本高野連の規定で女子は公式戦に出られないが、承知の上で入部。男子との体力差を痛感しながらも同じメニューをこなした。「みんなが自分を特別扱いせず、厳しく接してくれる」ことが励みだった。

 ひたむきな姿勢はナインも鼓舞した。同じ二塁手の南開道(みなみかいどう)は「一球に対して考えを持って守備に入る。弱音も吐かない。尊敬する」。コロナ禍で練習の成果を発揮する場が奪われ、堀江開成(ほりえかいせい)主将は「試合ができるありがたみを知った。公式戦に出られない百伽の気持ちも少し分かった気がする」。仲間への思いを強めた。

 11、12日の練習試合が木村の集大成の舞台になる。中田憲一(なかだけんいち)監督は「次も起用する」と宣言。木村は「今までやってきたことをやり通す」。ひと足早く夏を終えたら、代替の公式戦はスタンドでナインにげきを飛ばす。