ジュリアさんから届いた手紙(右)と園児が書いた返事(左)

水井さん(右)からシートンさんの手紙を読んでもらう園児たち

ジュリアさんから届いた手紙(右)と園児が書いた返事(左) 水井さん(右)からシートンさんの手紙を読んでもらう園児たち

 栃木県大田原市元町1丁目のふたば幼稚園(現在は同所2丁目の仮園舎)で、動物文学の名作「シートン動物記」の作者の孫娘ジュリア・シートンさん(59)=米国在住=と園児との文通が始まっている。同園は絵本版の読み聞かせを30年以上続けており、園児たちに大好きな本を通じて海外交流を体験してもらおうと企画した。瀧田真(たきたしん)園長(31)は「生きた英語や手紙の文化に触れ、子どもたちの学びが深まる貴重な機会。今後も続けられたらうれしい」としている。

 シートン動物記は、故アーネスト・トンプソン・シートンが主に実体験から創作した55編の動物物語。動物や自然を愛する心の育成につながるとして、同園は年長園児に2学期から毎日読み聞かせをしている。

 ジュリアさんとの文通は、昨年度の保護者会長を務めた水井通浩(みずいただひろ)さん(46)が任期を終える際に「何か幼稚園に恩返しがしたい」と企画。「あなたのおじいさんの著書が日本の幼稚園で愛されている。園児が喜ぶだろうから、手紙を書いてあげてもらえないか」と電子メールを送った。

 ジュリアさんは依頼を快諾。3月中旬に届いた手紙には「祖父の物語があなたたちに喜びや学びをもたらしていると聞き、光栄に思う。祖父も喜んでいるでしょう」などとあり、「皆さんと知り合えてうれしい。また連絡を取りましょう。新しい友達、ジュリアより」と締めくくられていた。

 手紙は水井さんが日本語に訳し、当時の年長園児約50人に読んで聞かせた。子どもたちは「おてがみありがとう」などと返事を書き、物語に出てくる好きな動物のイラストも添え、このほど郵送した。

 手紙を書いた井形和生(いがたかずき)君(6)=現・那須塩原市大山小1年=は「シートンさんは絵本の中だけじゃなく、本当の世界にいたんだなと思った。海外に手紙が届くなんてすごい」と話していた。

 来年からは読み聞かせを受けた園児たちが、感想やジュリアさんに聞きたいことを手紙にするという。