小山市長選の開票作業。大勢判明は当初の目標より約1時間遅れた=5日夜、小山市の県南体育館

 新人浅野正富(あさのまさとみ)氏(63)が現職大久保寿夫(おおくぼとしお)氏(71)の6選を阻止した5日投開票の小山市長選は、両陣営とも開票作業に翻弄(ほんろう)された。票集計の足並みがそろわず、開票速報で大久保氏の序盤の「大量リード」が終盤に覆る異例の事態となり、支持者を一喜一憂させた。

 開票速報発表は午後9時から30分おきに行われ、9時半(開票率13%)の時点で大久保氏は5千票、浅野氏は2500票と2倍の差があった。10時(34%)にはそれぞれ1万4500票、6千票と、差はさらに開いた。大久保陣営では大きな拍手が湧き、浅野陣営には沈痛な空気が流れた。

 ところが、10時半(62%)になると1千票差まで一気に縮まり、11時(95%)には浅野氏3万2500票、大久保氏2万4500票とついに逆転。大久保陣営では「えーっ」という悲鳴が上がり、浅野陣営は歓喜を爆発させた。

 市選管によると、原因は「読み違い」だという。「現職の情勢が有利と判断し、例にならって」大久保氏の票の集計や点検に担当職員の6割を充てた。

 だが、実際には優勢だった浅野氏の票を担当する人員が不足。実質的に大久保氏の集計を終えてから浅野氏の集計を急ぐ形となった。「過去の市長選には例のない対応だった」という。

 また、大勢判明も当初見込みから約1時間遅れの11時すぎにずれ込んだ。新型コロナウイルス感染対策で密集を避けるための人員減が主な要因という。

 前回比80人減で対応したが、開票当初から遅れが生じ、午後9時の速報第1報では開票率0%。「問題なく対応する」としていた人手は足りず、結果として開票作業が“深夜の逆転劇”を演出する格好となった。