アクリルボード越しにチェックイン手続きをする従業員(左)と宿泊客=22日午後、日光市鬼怒川温泉大原の「きぬ川ホテル三日月」

 政府の観光支援事業「Go To トラベル」が22日、東京を除く46道府県で始まり、栃木県内の観光地にも宿泊客が訪れた。宿泊業者からは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で減少した観光客数の回復を期待する一方、詳細が曖昧なままでの事業開始に戸惑う声も。感染拡大の懸念も拭えず、期待と不安が入り交じる中で初日を迎えた。

◇「コロナ」感染拡大の経過

 22日午後、日光市鬼怒川温泉大原の「きぬ川ホテル三日月」。入り口で手指消毒と検温を済ませた宿泊客が館内へと入っていく。

 Go To期間に合わせ、埼玉県春日部市から家族3人で訪れた女性(35)は「割引になるか分からない部分もあるが、申請に必要な宿泊証明書をもらっていこうと思う」と話し、チェックインを済ませた。

 フロント担当の簗瀬恒広(やなせつねひろ)さん(42)は「これをきっかけにお客さまに来ていただけたら」とGo Toによる宿泊客増に期待を寄せる。現在の客室の稼働率は2割弱で、昨年の同時期と比べると客数は「かなり少ない」状況だ。

 一方で、割引対象施設の国の登録は受け付けが始まったばかり。「正式に登録されないと、お客さまに説明がしづらい」と打ち明けた。

 那須町高久乙の道の駅那須高原友愛の森では、関東地方を中心に多くの他県ナンバーの車両が見られた。家族で温泉を楽しむため同町を訪れた千葉県流山市、会社員男性(43)は「以前から計画していた旅行がGo To期間と重なって良かった」と笑顔で話した。

 同町湯本の「松川屋那須高原ホテル」の広川琢哉(ひろかわたくや)社長(53)はGo Toについて「多くの人が様子を見ているのではないか」と推測する。例年なら満室となる8月のお盆時期も、今年は空室が残ったまま。東京都がGo Toの対象から除外されたことで、予約のキャンセルも相次いだという。

 広川社長が会長を務める同町観光協会では27日、Go Toを受けて会員向けに感染防止対策のセミナーを予定する。広川社長は「感染が拡大する難しい状況なので、しっかり対策を取りたい」と強調した。

 「Go To トラベル」事業は宿泊、交通費とセットになったパック旅行、日帰りツアーの50%を支援。まず代金の35%引きを先行し、残る15%は9月以降、旅先の買い物や飲食に使える地域共通クーポンとして配る内容となっている。