高い身体能力に期待のかかるGKオビ

技巧派DFとして存在感を放つ井出

高い身体能力に期待のかかるGKオビ 技巧派DFとして存在感を放つ井出

 サッカーJ2栃木SCにJ1の名門チームで実力を磨いた2人の若手が加入した。ともに世代別日本代表に名を連ねた横浜MのGKオビ・パウエル・オビンナ(22)と、元柏のDF井出敬大(いでけいた)(18)だ。新型コロナウイルスの影響で6月下旬の再開以降、リーグ戦は異例の過密日程が続く。上位進出には総合力の底上げは必須で、逸材2人がチームの起爆剤となることが期待される。

■キックの飛距離に自信 長身GK オビ・パウエル・オビンナ

 身長193センチはチーム最高。長い手足を生かしたシュートブロックで、まさに「壁」として相手の前に立ちはだかる。GKオビ・パウエル・オビンナは横浜Mから育成型期限付きで移籍加入。「新たな環境を成長につなげたい」と飛躍を誓う。

 埼玉県出身でナイジェリア人の父と日本人の母を持つ。流通経大4年時には22歳以下日本代表の主力として活躍し、昨年のトゥーロン国際大会(仏)では史上初の準優勝に貢献。準決勝、決勝ではPK戦に突入する激戦を経験するなど大舞台で勝負度胸を磨いた。

 「前線の起点へ正確に蹴り込むのが理想」とキックの飛距離と精度に自信を持つが、ハイボール対応も高水準。その実力は大学日本代表のチームメートだったMF明本考浩(あきもとたかひろ)が「信頼できる」と太鼓判を押す。

 東京五輪代表候補にも挙げられるが「五輪のためでなく栃木SCのために戦ってJ1昇格に貢献する。周りの評価はその先でついてくる」。スター候補は、謙虚に確固たる地位を築く構えだ。

■左利き 攻撃に変化生む 技巧派DF 井出敬大

 元柏のDF井出敬大(いでけいた)は、加入後約1カ月が経過した7月29日の第8節アウェー群馬戦でプロデビュー。センターバックでフル出場し、1-0の完封勝ちに貢献。「先につながるデビュー戦だった」と喜んだ。

 千葉県柏市出身。柏の下部組織で育ち、昨年は18歳以下日本代表にも選出された。今季からトップチーム昇格を果たしたものの、個人的な事情で4月に契約解除。「一番早く声を掛けてくれた」と栃木SCへの加入を決めた。

 ポゼッション志向の柏で磨いた足元の技術に自信を持ち、センターバックとしては珍しい左利きからのフィードで攻撃に変化を生み出す。群馬戦の前半24分の先制点も、自陣でボールを奪った井出の左サイドへのパスが起点となった。

 課題と自覚するのは守備の強度。「1人で奪い取れる、跳ね返せるようにならないといけない」と、試合の中でも改めて弱点を痛感した。古巣とは異なるスタイルの中で、技巧派DFが進化を目指す。