本番に向けて「栄冠は君に輝く」の練習に励む宮の原中吹奏楽部=3日午前、宇都宮市鶴田町

 夏の甲子園大会が開幕するはずだった8月10日に、大会歌「栄冠は君に輝く」を全国各地で一斉に奏でよう-。宇都宮市内の中学校教諭の発案で始まった企画が全国に広まりつつある。コロナ禍でスポーツ大会も、音楽コンクールも奪われた夏。閉塞(へいそく)感漂う夏空に“快音”が響き渡りそうだ。

 発案者は宇都宮市宮の原中吹奏楽部顧問の星弘敏(ほしひろとし)教諭(61)。生徒たちが目指してきた全日本吹奏楽コンクールや県予選が中止になり、鍛錬の成果を発表する場を失った。「コンクールのためだけに音楽をやっているわけではないだろう、と。形に残らずとも何か機会を設けてあげたかった」

 星教諭自身は野球には縁遠い。ただ、夏を思い起こす「栄冠は~」のシンプルなメロディーラインが思い浮かんだ。本来なら第102回全国高校野球選手権大会の開幕日だった10日、「全国のみんなと時間を共有できたら、子供たちにとって素晴らしい思い出になるのでは」と考えた。

 演奏開始は午前10時10分。誰でも自由に参加でき、1人で歌うのも、2人で演奏するのもいい。ハッシュタグ(検索目印)「#みんなで栄冠」をつけて会員制交流サイト(SNS)で発信すれば、全国の参加者と体験を共有できる。

 甲子園球場では同日、今春の選抜大会の代替となる高校野球交流試合が開幕する。星教諭は「みんなが主役。誰でも気軽に参加してほしい。こういう時だからこそ音楽で心を一つにし、沈んだ空気を少しでも変えたい」と呼び掛けている。