多くの人に愛されるコロッケを作り続ける金子さん(右)と松下さん

独創的な表現を追求する小川さん

多くの人に愛されるコロッケを作り続ける金子さん(右)と松下さん 独創的な表現を追求する小川さん

 写真を通し年を重ねるごとに感性を磨く男性、生涯現役の心意気で名物コロッケを作り続ける女性-。人生100年時代と言われる中、趣味に、仕事に、人生を描き続ける県内のシルバー世代を紹介する。21日は「敬老の日」。

■義理の姉妹で守る名物 金子澄代さん(84)、松下好子さん(86)

 義理の姉妹が作り上げる昔ながらのコロッケは多くの人を魅了し続けている。

 日光市足尾町にある創業114年の「ますや肉店」で名物コロッケを作るのは、店主金子澄代(かねこすみよ)さん(84)と義理の妹の松下好子(まつしたよしこ)さん(86)。

 市内外から多くの人が買い求め、大型連休などになると長蛇の列ができる人気店だ。揚げたてのコロッケをその場で何個も頬張る人も少なくない。金子さんは「お客さんがおいしいと言って笑顔になってくれることが励み」とやりがいを感じる。

 店は松下さんの実家で、金子さんが兄嫁として嫁いだ。半世紀以上にわたり店を支え続ける2人は、義理の姉妹だが「長くやっているので今では本当の姉妹以上」と声をそろえる。

 約70年前に始めたコロッケは、松下さんが手際よく衣付けした後、金子さんが素早く揚げる。定休日は日曜日だけだが、2人は何年も体調を崩していない。松下さんは「毎日、味見で食べているからかな」。

 足尾では高齢化や人口減少で閉店する店もある。それでも2人は「丈夫でいる限り続ける」と、ひた向きにコロッケと向き合っている。

■経験重ね磨かれる感性 小川茂さん(81)

 会員約70人の写真愛好家団体「FCC(フレッシュ・カメラマン・クラブ)小山」会長の小川茂(おがわしげる)さん(81)=小山市羽川=は、定年を前に50代後半から本格的にカメラを手にした。

 「自分の心に響くものを、どう表現するか考えるんです」。対象は風景や花、人物など幅広い。撮りためた写真はファイル100冊以上。光の加減や構図など、同じ被写体でも同じ写真はない。

 2年前、カメラ店に勧められて全国コンテストに応募した「下館祇園まつり」の写真が銀賞に選ばれた。男たちがひしめき合い、みこしを川に担ぎ入れる水しぶきが、音を立てて飛び出してくるような作品だ。

 2カ月に1度、仲間と勉強会を開くほか、写真以外の芸術にも触れて感性を磨く。「若いころは分からなかったことが分かるようになる。たくさん経験することが大事ですね」

 配電設備の技術者として要職にあった50代半ばで妻を亡くし、2人の娘を育ててきた。孫にも恵まれた今は「健康寿命を延ばしたい」と週2回、卓球に通う。

 「気の向くままに、撮りたいものを撮っていきたい」。これからもレンズをのぞく日々は続く。