財政調整的基金残高の推移

 相次ぐ新型コロナウイルス対策などのため、栃木県は本年度の補正で貯金に当たる財政調整的基金(財調)を計65億6300万円取り崩す見込みであることが、22日までに分かった。県のまとめによると財調残高は本年度末で387億円まで減少し、近年で最大だった2014年度の845億円の半分以下となる見通し。9月補正予算案では22年ぶりに県税収入の減額補正も行っており、新型コロナの影響は県財政にも及んでいる。

 本年度は、医療提供体制の強化や社会経済活動の本格化など新型コロナ対策で財源確保を強いられた。地域外来・検査センター整備などを盛り込んだ4月補正では5億円、観光需要回復などを図った6月第1次補正は27億7300万円を財調から取り崩した。

 9月補正案でも32億9千万円の繰り入れを盛り込む。感染拡大への備えとして6月第1次補正で50億円を積み立てた一方、本年度の補正での取り崩し額は計65億6300万円まで上る見通しだ。

 県財政は17年度以降、総合スポーツゾーン整備をはじめとする大型事業や水害からの復旧復興、高齢化の進展による医療福祉関係経費の増加などで、90~120億円の財源不足が発生。このため財調を取り崩し、残高は年々減少している。19年度末の残高は537億円の見込み。

 また歳入面にも新型コロナの影響が出ている。企業の業績悪化を受け、9月補正案では法人税を中心に県税収入を100億円減額補正した。県税収入の減額補正は消費税増税などが影響した1998年以来となる。消費の落ち込みから、地方消費税清算金も43億円の減額補正とした。

 現在の財政状況について、県財政課は「県税収入の減額補正も予想の範囲内で収まっている。余裕がないわけではないが、楽観視できない」とみる。

 一方、収束の見通しがつかない新型コロナだけでなく、国が来年度予算の概算要求を1カ月先送りするなど、県の予算案編成に向けて不透明な状況が続く。同課は「国と歩調を合わせながら(財源確保へ)努力していく」としている。