くぎの位置などを確認したX線調査

大規模修復が計画される金剛力士像の阿形像

くぎの位置などを確認したX線調査 大規模修復が計画される金剛力士像の阿形像

 栃木県足利市大岩町の大岩山多聞院最勝寺が、市文化財に指定されている金剛力士像の大規模修復に乗り出すことになった。解体に向けたX線調査がこのほど行われ、10月にも有識者などによる「金剛力士像修復委員会(仮)」が発足。2022年の修復開始を目指す。同像は鎌倉時代の仏師運慶(うんけい)作とも伝わり、新たな事実が明らかになることなどが期待されている。

 修復するのは、同寺山門の金剛力士像「阿形(あぎょう)像」(像高280センチ、肩幅80センチ)と同「吽形(うんぎょう)像」(同285センチ、90センチ)の2体。同寺によると、修復は300年以上前の元禄6(1693)年に行われた可能性があるが、詳細な記録は残っていない。

 修復は同寺の令和記念事業の一つとして実施する。昨年11月には市文化財専門委員などが事前調査を実施。このほど行われたX線調査では解体を円滑に進めることを目的に、かすがいやくぎの位置などを把握した。東京文化財研究所(東京都台東区)や仏像の修理・制作を手掛ける三乗堂(鹿沼市鳥居跡(とりいど)町)などが協力し、像の全身をあらゆる角度から50枚以上撮影した。

 同専門委員として昨年と今年の調査に立ち会い、修復委員会メンバーに就任予定の大澤慶子(おおさわけいこ)文星芸大准教授は「不確定だった最勝寺の歴史などが明らかになることが期待される」と話す。修復委員会は、昨年の調査にも参加した仏像研究の第一人者、山本勉(やまもとつとむ)清泉女子大名誉教授や同専門委員らで設立される。

 同像の修復を求める声は参拝者からも多く寄せられており、同寺は、修復費用の寄付を募っている。(問)同寺0284・21・8885。