子どもが被害に遭う事件が後を絶たない。虐待、遺棄、殺害。本紙にも連日のように、痛ましい言葉が並ぶ。

 日光市(旧今市市)大沢小1年だった吉田有希(よしだゆき)ちゃん=当時(7)=が殺害された今市事件が起きたのは2005年12月。12年以上がたった今も全国で同じような悲劇は繰り返され、そのたびに再発防止が叫ばれる。登下校時の安全対策などが進むきっかけになった今市事件は8日、東京高裁で控訴審が結審した。

 容疑者の逮捕前、担当記者として茨城県内の遺体遺棄現場にも何度か足を運んだ。遺棄は夜以降との見方があり、日没後の山林に。新月だったという当時を思い、暗闇の中、「いつ、どこで、誰が…」と考えを巡らせたことを覚えている。

 起訴内容の殺害日時、場所を大幅に広げる追加の訴因変更が認められ、控訴審は異例の展開を見せた。現在の担当記者に繰り返し説明を受け意味は理解したが、「なぜ今になって」と正直納得はしていない。判決は8月3日。高裁には丁寧な判断理由の説明を求めたい。