特定失踪者の安西正博さんの写真を抱える父茂雄さん=12日午後、小山市

 県内の被爆者や日朝友好に尽力してきた人たちも史上初の米朝首脳会談の行方を固唾(かたず)をのんで見守った。

 「絶対に、必ず、やり遂げてほしい」。5月に解散した県原爆被害者協議会(県被団協)で副会長を務めた下野市祇園5丁目、高橋久子(たかはしひさこ)さん(85)は語気を強める。「朝鮮半島の完全非核化」が共同声明に盛り込まれたが、北朝鮮への不信感は拭えない。それでも「今回こそは約束を守ってほしい」と核廃絶への一歩を願った。

 日朝友好県民の会の金田貞夫(かねださだお)会長(84)は「将来の日朝関係の展望につながってほしい」と期待する。「(友好の意識が)切れたら終わり」との思いで、在日朝鮮人との交流などの活動を続けてきた。「国民感情として友好活動が理解されない面もあった。核や拉致問題が良い方向に向かえば、活動の幅も広がる」と今回の首脳会談を前向きに捉えた。

 鹿沼市に住む韓国人の会社役員禹亨澤(ウヒョンテック)さん(48)は両首脳の握手に「胸が熱くなった」という。「戦争終結に向け期待が高まる。素直にうれしい」と喜ぶ一方、「北は何回も約束をほごにしてきたので、今後に不安も残る」とこぼした。