史跡足利学校を視察する専門家グループ

 栃木県足利市など国内4市でつくる教育遺産世界遺産登録推進協議会の会員や専門家グループが24日、「近世日本の教育遺産群」として世界遺産登録を目指す足利市昌平町の史跡足利学校を視察した。

 訪れたのは、第8代国連教育科学文化機関(ユネスコ)事務局長を務めた松浦晃一郎(まつうらこういちろう)氏が代表を務める「逞(つよ)い文化を創る会」と同協議会員ら12人。来年2月に創る会が普及啓発冊子を刊行し、同協議会が水戸市で関連フォーラムを開くのに向けて、世界遺産登録の可能性を探るために訪れた。

 視察団を迎えた和泉(いずみ)聡(さとし)市長は「市は足利学校の世界遺産登録へ10年以上研究を深めてきた。普遍的価値を高めるため、力添えを」とあいさつ。同学校の市橋一郎(いちはしいちろう)研究員(74)が、8月に保存修理工事を終えた大成殿や復原完成30年を迎えた建物などを案内した。視察メンバーは「最も多い時で学徒は何人いたのか」「庶民も学べる環境だったのか」などと熱心に質問を投げ掛けた。

 元ユネスコ国内委員で「創る会」会員の岩槻邦男(いわつきくにお)東京大名誉教授(86)は「江戸時代の教育がいかに多様で優れていたか分かる。まずは普及啓発することが重要」、五十嵐敬喜(いがらしたかよし)法政大名誉教授(76)も「儒学中心の学問体系が作り上げた精神性、その教育自体の価値を世界がどう評価するか。挑戦的な試みになる」と話していた。