年内にも本体工事に着手する南摩ダム建設現場。奥は南東方面の鹿沼市街地=28日午後2時30分、同市上南摩町、小型無人機から

 調査開始から半世紀が経過した鹿沼市の思川開発事業(南摩ダム)で、国土交通省と水資源機構が年内にもダム本体工事に着手することが28日、分かった。2度の政権交代に伴う凍結期間などを経て、16年8月に同省が事業継続を決定してから4年あまり。2024年度完成に向けた工事が、より本格化する。本体着工を前に、同機構はダムの建設現場を一望できる展望広場を整備し28日、報道陣に公開した。11月1日からは一般開放する。

 ダムの本体工事は、工事受注者を11月までに決定し、12月中に契約を結び着工とする考え。実質的な工事も本年度中に始まる見通しという。

 事業は思川支流の南摩川に南摩ダムを建設し、付近の黒川、大芦川とダムを地下トンネルで結び水を融通させる計画。思川や利根川の洪水被害の軽減、流域自治体への水道用水の供給などが目的で、1969年度に実施計画調査が始まった。

 ダム本体は高さ86.5メートル。現地で掘削した岩石を積み重ねる「ロックフィルダム」形式で、貯水池側の壁面をコンクリートで覆う。総貯水容量は5100万立方メートルで、五十里ダムの5500万立方メートルに迫る。

 事業継続の決定後、19年度にダム本体の準備工事が始まり、現在はダム両端に位置する山の斜面を掘削している。水没予定地にある県道上久我-栃木線の付け替え道路は、延長約6.4キロのうち83%に当たる約5.3キロが完成し、21年度上半期中の全面開通を目指している。新型コロナウイルス感染拡大に伴う進捗(しんちょく)への影響はないという。

 水資源機構は、付け替え道路沿いのダム管理所の建設予定地にダムサイト展望広場を整備した。11月1日からの開放時間は午前9時~午後4時半。初日のみ現地で南摩ダムのダムカードを配布する。

 水資源機構思川開発建設所の小宮礼行(こみやひろゆき)総務課長は「移転者や土地提供者をはじめ多くの皆さまのご理解、ご協力の下で事業を進めている。多くの方に訪れてもらい事業目的を知ってほしい」と話した。