旅行客や会社員、学生らが行き交うJR宇都宮駅。モニターに感染防止対策が表示されている=19日午前、宇都宮市川向町

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。東京都の新規感染者が初めて500人を超え、2日連続で過去最多を更新した19日、栃木県内からは「第3波」を不安視する声が上がった。週末の3連休を控え、旅行客は「東京行きは、しばらく控えたい」と吐露。在宅勤務が難しい職種の会社員らは「おのおのが自衛するしかない」と警戒を強める。GoToキャンペーンなどで多少盛り返してきた旅行業界は、予約のキャンセル増加を危惧している。

 19日午前、JR宇都宮駅。マスク姿の乗客が改札を行き交う。友人と3人で那須町へ1泊2日の温泉旅行に向かう宇都宮市中今泉3丁目、主婦藤井洋子(ふじいようこ)さん(72)は「コロナが流行りだしてから旅行は県内ばかり。東京は怖くて行けない」と声を落とした。

 宇都宮市に本社を置く種苗会社勤務の北海道伊達市、鈴木爵利(すずきたかまさ)さん(42)は、野菜の品種改良などで全国の現場を歩く。「苗の状態などを直接確認する必要があり、在宅勤務は難しい」と説明。「手指消毒の徹底など自衛するしかない」と冷静に語った。

 都内に事務所を持つ県も感染動向を注視している。県東京事務所は現在、在宅や県庁内のサテライトオフィスでの勤務を週1回実施。同事務所の琴寄行雄(ことよりゆきお)所長は「在宅勤務の日数を増やすかどうかなど、引き続き感染状況を見ながら判断していきたい」。

 宇都宮市内の旅行会社は今週に入り、北海道旅行などのキャンセルが数件あったという。担当者は「GoToキャンペーンでお客さんが戻ってきた感じがあったが、第3波で旅行へ行く気持ちが抑えられてしまうのは残念」と明かした。今後も予約キャンセルの増加を警戒している。

 佐野市内と都内を結ぶ高速バスを運行するジェイアールバス関東の佐野支店(佐野市越名町)によると、東京方面への乗車券のキャンセルなど目立った動きはないという。

 ただ感染拡大時には乗客数が大きく減った経緯もあり、担当者は「今後どうなるのか」と気をもむ。「コロナと上手に付き合うしかない。安心して乗ってもらえるように対策したい」と話した。

 高速バスで都内へ遊びに行くという足利市、アルバイト女性(25)は「電車よりもバスの方が安心。感染者は増えているが消毒液やマスクで対策はしているので、栃木に持って帰らない努力をしたい」と語った。