新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)

 栃木労働局は1日、業務により新型コロナウイルスに感染した労働者2人を労災認定したと発表した。県内での新型コロナ関連の労災認定は初めて。感染を理由にした労災請求は、同日までに計3件にとどまり、同労働局の担当者は「県内の感染者数全体に対して、労災請求が少ない。労災の対象になることが十分に周知されていない可能性がある」と話している。

 同労働局によると、2人はいずれも女性で県内の居酒屋に勤務し、新型コロナウイルスに感染した。9月末に県内の労働基準監督署に労災請求し、10月上旬に認定された。

 労災請求3件のうち、残りの1件は県内の医療従事者からだった。現在、感染経路などを調査している。

 厚生労働省のまとめでは、11月27日午後6時時点で、労災請求は全国で2184件あり、業種別では全体の約6割が医療業だった。決定件数は1182件で、うち支給件数は1151件。

 感染経路が不明な場合でも、複数の感染者が出たり、近距離で人と接したりする職場での業務で感染した可能性が高ければ、労災の対象になる。

 県外では、感染経路が不明なタクシー乗務員が、顧客との接近や接触が多い労働環境下で感染した可能性が高いと判断され、労災認定された事例がある。

 労災認定により、医療機関の受診にかかる費用を負担する療養補償給付や、休業補償給付などの対象となる。労災に関する相談は、最寄りの労働基準監督署などに問い合わせる。

 栃木労働局は「業務で感染したと考えられる場合は、積極的に申請してほしい」と呼び掛けている。

 (問)同労働局労災補償課028・634・9118。