特別養護老人ホームの入り口。アルコール消毒などへの協力を呼び掛けている=2日午後、宇都宮市鐺山町

 「ついに県内でも」「もし自分の施設から出たら」。県内初となる高齢者施設でのクラスター(感染者集団)が足利市内で発生したことを受け、県内の高齢者施設関係者の間に動揺が広がった。感染予防に各施設とも神経をすり減らしてきただけに衝撃も大きく、対策徹底を改めて誓った。

◇「コロナ」感染拡大の経過

 特別養護老人ホーム「マイホームきよはら」(宇都宮市鐺山(こてやま)町)の荒井敬子(あらいけいこ)副施設長は「(クラスター発生を)私たちも真摯(しんし)に受け止め、コロナがはやりだした頃の気持ちを忘れず、感染対策を今以上にやらないといけない」と話す。

 施設内では至る所をこまめに消毒し、家族の面会は1日3組程度に限定。終わった後は、周辺を30分以上かけ消毒する。職員は1日2回の検温、行動履歴の記録などを徹底している。

 同施設の生活相談員豊坂(とよさか)ひとみさんも「ついに県内でも、という気持ち。コロナはすぐそばにある。対策を徹底するのは大変だが、やらないといけない」と自らに言い聞かせた。

 「クラスター発生は驚いたが、相当対策をしていても出てしまったとすれば、施設を責められない」。佐野市の有料老人ホームの責任者は同情する。「県内でも感染者が増える中、もし自分の施設から出たら、入居者の命に関わったらどうしようという恐怖は非常に大きい」と苦悩する。

 県老人福祉施設協議会の大山知子(おおやまともこ)会長は「この協議会からはまだ発生していないが、ひたひたと忍び寄っていると実感している」、県有料老人ホーム連絡協議会の小原哲平(おばらてっぺい)会長(45)は「人と接する仕事であり、リスクをゼロにはできない。気を引き締め、ゼロに近づける対策をするしかない」と話した。