「佐藤の酒」をPRする島田社長

 栃木県佐野市が進める佐藤姓の聖地化プロジェクトを受け、同市田島町の蔵元「第一酒造」はこのほど、全国の「佐藤さん」に向けた新たな純米酒を発売した。全国の佐藤さん50人から事前予約が入る人気ぶりで、注目を集めている。市内では、「佐藤さん特典」を付けた弁当を売り出す店や、入館料を特別割引する美術館もあり、プロジェクトを支援する動きが民間でも広がりつつある。

 第一酒造が発売したのは「開華 佐藤の酒」(720ミリリットル、1760円)。やや甘口で、すっきりとした味わいが特徴だ。島田嘉紀(しまだよしのり)社長(55)は「佐藤さんは全国に200万人いるとされることから、どの佐藤さんでも手に取ってもらえるようにと軽い口当たりを重視した」と話す。

 同プロジェクトは「佐藤姓のルーツは『佐野の藤原氏』」として、市が「さとう」の語呂合わせで3月10日から展開している。全国の佐藤さんをメンバーとした「佐藤の会」を発足させ、同社をはじめとした民間企業や市民有志で「佐藤さんおもてなし隊」を立ち上げた。

 新酒の発売はプロジェクトPRの一環。市が9月から実施している東北メディアキャラバンなどがきっかけとなり、佐藤姓が県内で最も多い福島県からは120本の予約があるという。

 このほか、金井上町の「からあげ家なるねこ」は「佐藤のり弁」を発売し、会員に唐揚げ1個をプレゼントするサービスを始めた。御神楽(みかぐら)町の安藤勇寿(あんどうゆうじ)「少年の日」美術館では、会員対象に入館料10%引きを実施している。市の担当者は「こうした市民の自主的な活動はプロジェクトに欠かせない」と話している。