時短営業中の飲食店。1日の客数はコロナ禍前の1割まで激減したという=14日午後3時40分、宇都宮市東宿郷2丁目

 「大きな店ほど時短要請の打撃は深刻。なのになぜ協力金の額は一律なのか」

 14日午後3時すぎ、JR宇都宮駅東口の英国風パブ「ライオンズヘッド駅東口店」。コロナ禍前はコーヒーなどを楽しむ客が訪れる時間帯だったが、店内の120席はすべて空席。エリアマネージャーの男性(42)は、行政への不満を隠さなかった。

 本県への緊急事態宣言再発令に先立つ今月8日から、宇都宮市内の酒類を提供する飲食店には午後8時~午前5時の営業休止が要請された。当初の期間は22日までの15日間。再発令により、時短営業は2月7日まで延びた。また対象店舗は県内全域に広がり、酒類を提供しない店にも協力が求められる。

 応じた店に支給される県などの協力金は1日当たり4万5千円だったが、再発令に伴い1都3県と同じ6万円へと増えた。それでも数十人規模のパーティー利用を得意としてきた同店にとって、損失を補える額ではない。

 年明け前からの感染急拡大、首都圏や本県などで相次いだ時短要請-。それらが積み重なり、客足はコロナ禍前の1割にまで減った。市内にある系列の飲食店6店舗も時短営業や臨時休業中だ。再発令は「予想通り」と覚悟を決めていたとはいえ、宣言解除後に全ての店が元通り再開できる見通しは「もう立たなくなった」と、男性は唇をかんだ。

 一方、飲食店に酒を卸売りする酒販会社の関係者は「来るべき時が来た。現実を受け止め、打開策を模索するしかない」と冷静だ。

 昨春の緊急事態宣言の解除後、回復の兆しがあった注文は、ここへ来て再び冷え込んだ。12月の売り上げは前年の5割。1月はさらに落ち込むとみている。

 「巣ごもり需要」で酒類の個人消費は堅調といい、「今後は小売りへの注力や海外販路の開拓など、業界にさまざまな動きが出てくるのでは」。政府が酒販店など飲食店の取引業者への給付金を検討している動きには「一律支給はどうなのか」と首をかしげる。

 政府は大人数、長時間の会食を感染対策の「急所」とみている。宇都宮市内の繁華街を歩く限り、時短や休業に応じた店はかなり多いが、感染抑制の効果がどの程度あるのか、政府でさえ明確に示せていないのが現状だ。

 「ライオンズヘッド-」の男性マネージャーは強調する。「せめてもの救いは今が飲食店の閑散期であること。こうなった以上、2月中に何としてもウイルスを抑え込み、春先の繁忙期を明るく迎えられるように、行政には努めてほしい。もう一回、緊急事態宣言が発令されたら飲食業界は『終わり』だから」