平山郁夫「浄土幻想 日野法界寺」(縦112.2センチ、横162.1センチ、2004年、平山郁夫シルクロード美術館蔵)

平山郁夫「平成の洛中洛外図(右隻)」(縦171.2センチ、横364センチ、2003年、平山郁夫シルクロード美術館蔵)

平山郁夫「浄土幻想 日野法界寺」(縦112.2センチ、横162.1センチ、2004年、平山郁夫シルクロード美術館蔵) 平山郁夫「平成の洛中洛外図(右隻)」(縦171.2センチ、横364センチ、2003年、平山郁夫シルクロード美術館蔵)

 日本画の巨匠、平山郁夫(ひらやまいくお)さん(1930~2009年)の作品を紹介する「平山郁夫展~日本の心~」(さくら市ミュージアム-荒井寛方(あらいかんぽう)記念館、平山郁夫シルクロード美術館主催、下野新聞社共催)が23日~3月14日、さくら市ミュージアム-荒井寛方記念館で開催される。今回は「日本」をテーマに、大作「平成洛中洛外図」をはじめ、情緒あふれる神社仏閣などを色鮮やかに描いた本画やスケッチ、素描計61点を展示する。同館によると、平成洛中洛外図の構成4作品がそろって公開されるのは、県内で初めて。

 平山さんは1930年、広島県生まれ。45年に被爆し、後遺症に苦しんだ経験から、平和を願う作品を制作し続けた。仏教伝来の源流を訪ねてシルクロードへと足を運び、ヨーロッパ、中近東など世界各地を旅した。

 同館は平山さんが、さくら市出身の日本画家の荒井寛方(1878~1945年)と同じ日本美術院同人だったことから、これまで平山郁夫展を計6回開催してきた。

 平山さんはシルクロードを題材とした作品で知られる。同館での平山郁夫展もこれまでは、シルクロードを題材とした作品を中心に展示してきた。ただ、平山さんがそもそもシルクロードを旅するようになったのは、日本古来の文化をひもとくためだった。コロナ禍で閉塞(へいそく)感が漂う今、「身の回りの風景や日本の文化に思いをはせてほしい」(同館担当者)との思いもあり、今回はテーマを日本に設定したという。

 今回の目玉である「平成洛中洛外図」は、京都御所周辺を描いた「平成の洛中洛外(右隻)」と二条城周辺を描いた「平成洛中洛外(左隻)」、阿弥陀如来坐像(ざぞう)を描いた「浄土幻想 日野法界寺」と「浄土幻想 宇治平等院」で構成される。

 同館の大木礼子(おおきれいこ)学芸係長(51)は「これはシルクロードを旅し、祈りを持って日本へ戻ってきた平山先生が見た、心のふるさと(京都)を描いている。ただの風景画ではなく、現代に続く日本の文化を表現し、未来に残したいと願って描かれたのだろう。スケールは大きいが、繊細な描写も特徴的なので注目してほしい」と話している。

 この他、薬師寺や富士山を題材にした作品をはじめ、本県日光の風景を描いたスケッチも展示する。

 (問)同館028・682・7123。

 ※新型コロナウイルス感染拡大の状況などによって、会期変更、入場制限を行う場合がある。詳しくは電話か、さくら市のホームページで確認できる。