昨年11月以降の県内クラスター(1月16日現在)

 県内で発生した新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)は、16日までに計27件となった。そのうち7割に当たる19件が昨年11月下旬以降に発生しており、年末年始を中心に感染者数が急増した要因の一つとみられる。この期間、高齢者施設や病院でのクラスターは11件に上り、医療・福祉現場における感染防止対策の難しさが改めて浮き彫りになっている。

◇「コロナ」感染拡大の経過

 11月下旬の臨時記者会見で福田富一(ふくだとみかず)知事は、本県の感染状況を「第3波」との認識を示していた。

 11月以降のクラスターに関連する感染者数は1月16日現在で計393人。そのうち病院や施設でのクラスターを端緒とするのは278人で、7割を占める。職場で発生したクラスターは8件あった。

 施設でのクラスターは全国的にも増えている。隣県の群馬も11月以降、1月13日現在で計25件のクラスターが発生し、そのうち病院や施設の事例は14件と半数以上を占めている。

 高齢者や基礎疾患がある人は新型コロナに感染すると、重症化や死亡のリスクが高いとされる。入院も長期化しやすく、医療提供体制への負荷も大きい。

 県は施設や病院で発生したクラスターの原因として、全ての事例で「施設における感染対策不足」を挙げている。ただ高齢者や患者にとってマスクを着けることが難しい場合や、入浴介助といった職員と利用者の密接を避けられない場面が多いため、県の担当者は「やむを得ない面もある」と打ち明ける。

 県はクラスターが発生した病院や施設に、医師や看護師でつくる「発生施設支援チーム」を派遣している。チームは感染防止対策の助言にも当たっており、県有識者会議議長の稲野秀孝(いなのひでたか)県医師会長は「チームが地道に指導することで、対策のレベルが全体的に底上げされている」と評価している。

 一方で稲野会長は「施設のクラスターは非常に重大で、介護の危機になる」と指摘し、「施設職員を守るため、県や自治体にはPCR検査や抗原検査を定期的にできる体制を整備してほしい」と訴えた。