午後8時までの時短営業の要請に応じ、店じまいを始めるバーのスタッフ=21日午後8時、宇都宮市池上町

 国の緊急事態宣言の対象地域に栃木県が追加されてから、21日で1週間がたった。宇都宮市や小山市など県内各地の繁華街は閑散とし、時短営業に応じる飲食店の疲労や我慢は限界に達しつつある。「長引くと本当につぶれる」「飲食店に関わるすべての業種が厳しい」。店の多くはテークアウトや昼営業に力を入れるが、人通りはまばらで売り上げが思うように伸びず、先の見えない闘いが続いている。

 21日夕、宇都宮市のオリオン通り。時短営業している飲食店の脇を会社員が素通りしていく。

 午後8時までの時短営業に応じる同市江野町のイタリアン酒場「Serata(セラータ)」の見目怜士(けんもくさとし)店長(35)は通りを眺め、「暗いし、人はいないし、夕方なのに真夜中みたいな景色」と声を落とした。

 感染対策のため14日から予約制の店内飲食を始めたが客足は伸びず、20日からテークアウトのみの営業に切り替えた。「酒屋など関係する全業種が苦しい状況にある」とし、「外食産業はなくならないだろうが、復調するには時間が掛かる」とうつむいた。

 午後8時、同市池上町のピザ・ワインバー「GAJA(ガヤ)」。スタッフの男性(28)は閉店を知らせる看板を掲げ、店じまいの作業を始めた。

 時短営業を始めてからランチ営業にも乗り出した同店。しかし外出自粛ムードの中で来店客は少なく、約1週間で中止した。今は夜8時までの店内飲食とテークアウトでやりくりしている。スタッフの男性は「お客さまがゼロの日もあり、店の掃除ばかりはかどる」と自嘲気味にこぼした。

 大通りで居酒屋を営む女性(55)は各店一律となった協力金に不満を抱く。県などの協力金は1日当たり6万円。「うちのような大きな店ほど深刻な打撃を受けている。席数や坪数に応じた額にすべきだ」

 時短に応じ1日2時間のみ営業するJR小山駅西口の居酒屋「大衆割烹だるま」(小山市中央町3丁目)は、1月の売り上げが今のところ前年の8割減。両親と店を切り盛りする黒川直久(くろかわなおひさ)さん(52)は「昨春の緊急事態宣言の時より駅前の人通りはやや多いが、お店には入ってくれない」と天を仰ぎ、「協力金で何とかしのげても、宣言の解除後すぐには客足は戻らない。飲食店仲間の間ではいよいよ廃業の話が現実味を増している」と打ち明けた。