玉を避けながら土塁を駆け上がる児童ら(小山第三小提供)

 栃木県小山市の小山第三小の6年生46人がこのほど、学区内の神鳥谷(ひととのや)にある国史跡「鷲城跡(わしじょうあと)」で「城攻め体験」に臨んだ。南北朝時代後期に起きた「小山義政(おやまよしまさ)の乱」の激戦地となった“現場”で、土でできた中世城郭の造りを身をもって学ぶことができる同校恒例の体験学習。「命を懸けて攻めていることが分かった」と武士の心境に思いをはせる児童もいる。

 鷲城跡は鎌倉時代以降、関東有数の武士団として活躍した小山氏の城跡で、祇園城跡(ぎおんじょうあと)(城山町1丁目)とともに1991年、国史跡に指定された。深さ約5メートルの大堀や高さ約6メートルもの土塁の跡が、今も良好な状態で残っている。

 「城攻め体験」は、鷲城の魅力を知らせたいと同校の教師が市の学芸員に相談したのがきっかけで、2007年度に始まったという。現在は市博物館が協力し、本年度も12月、新型コロナウイルスの感染防止対策を行った上で実施した。

 クラスを攻守に分け、攻める側は甲冑(かっちゅう)の重さを体感するため水を入れた2リットルのペットボトル2本をリュックに背負い、林の中にある虎口(城の出入り口)から土塁を駆け上る。守る側は土塁の上で待ち構え、矢の代わりに運動会の玉入れ競争で使う紅白玉を投げ付ける。

 玉を避けて上りきれる児童はほとんどいない。児童は「道が細く大人数で押し入ることができない」「土塁が高く敵がどこに潜んでいるのか分からない」「守る方より攻める方が不利」と振り返った。「本物の矢が飛んできたら、とても心が強くないとできない」と感想を記す児童もいた。

 自身も小学生時代、鷲城跡で遊んだという鈴木勝己(すずきかつみ)校長(59)は「学区内に誇るべき史跡があることや、そこで繰り広げられた歴史のロマンを感じた気持ちを、大人になっても持ち続けてほしい」と望んでいる。