補強材などが組まれた児童会室の天井。作業工程が分かるよう、覆われていない

建築当時からの幅広の重厚な階段を使って引っ越し作業を行う児童

建築当時からの幅広の重厚な階段を使って引っ越し作業を行う児童

補強材などが組まれた児童会室の天井。児童会室のみ作業工程が分かるよう、覆われていない

補強材などが組まれた児童会室の天井。作業工程が分かるよう、覆われていない 建築当時からの幅広の重厚な階段を使って引っ越し作業を行う児童 建築当時からの幅広の重厚な階段を使って引っ越し作業を行う児童 補強材などが組まれた児童会室の天井。児童会室のみ作業工程が分かるよう、覆われていない

 【鹿沼】築85年、現役の木造校舎として国内最大級とされる北小の校舎耐震化工事が完成し、26日に児童らがプレハブ校舎などから机やいすを運ぶ引っ越し作業を行った。全児童354人は27日から改装した校舎で授業を受ける。筋交いなどで補強され、きれいに磨き上げられた校舎に児童たちは「大切に使います」と声を弾ませた。

 午後からの引っ越しは2年児童から始まり、机、いすのほか教材を抱え、これまでの教室から往復。額に汗をかきながらも、どの顔も笑顔だった。

 同校は2011年の東日本大震災では全く被害が出なかったが、14年度に市が実施した耐震診断で補強が必要と判断された。国内に同様の耐震補強例がなく、国の明確な基準もないため、一時は建て替えも検討された。しかし歴史的価値も高いことから市教委は検討会を設置。専門家から「耐震化は可能」とのお墨付きを得て18年度から3カ年事業で第1期、2期に分け、総工事費約11億9千万円で改修を行った。

 管理教室棟(南棟)、教室棟(北棟)、特別教室棟で筋交いの補強、増設などを行い、壁材には構造用合板を使って耐震性を向上させた。西棟は鉄筋コンクリート造り。外観は元の意匠で外壁の一部などに鹿沼産材を約220平方メートル使い、木造の窓などもきれいに塗り直した。廊下や重厚な階段は磨きがかけられた。

 同校の湯澤信(ゆざわしん)校長は「改めて歴史、伝統を感じる。地域の宝でもあるこの校舎を大事に使っていきたい。子どもたちも喜んでいます」。これまでプレハブ教室で学んでいた5年の川方詠心(かわかたえいしん)君(11)は「きれいになった校舎で勉強し、思い出をつくりたい」と話した。

 同校舎は1935(昭和10)年、鹿沼北尋常小学校の学び舎(や)として建てられた。木造2階建てで、建築面積は約2900平方メートル。市史などによると同校舎の建築時の総工費は13万5千円で、当時の鹿沼町の年間歳入11万8千円を上回る額が投じられた。