明治時代から現在まで姿を変えず残る武徳殿

武徳殿の内部。現在も稽古が行われている

明治時代から現在まで姿を変えず残る武徳殿

明治時代から現在まで姿を変えず残る武徳殿 武徳殿の内部。現在も稽古が行われている 明治時代から現在まで姿を変えず残る武徳殿

 【栃木】市が策定中の「市スポーツ施設ストック適正化計画」で廃止の方針がを示している万町の市剣道場「武徳殿(ぶとくでん)」の保存、維持を求めて、市剣道連盟(金山哲郎(かなやまてつろう)会長)が署名活動を行っている。武徳殿は1911年の建設で、現在も週2回剣道の稽古が行われるなど長年、市の剣道振興の“聖地”となってきた。同連盟は歴史の長さと地域の愛着の深さを主張し、使用の継続などを求めている。

 武徳殿は木造平屋建て、延べ床面積約164平方メートル。旧宇都宮藩士で剣道の指南役を務めた藤田高綱(ふじたたかつな)が設立し、44年市に寄贈された。その後、市により55年に床の張り替え、2009年に梁(はり)などの補強工事が施されたが、現在も建設当時の姿のまま残り、剣道家たちが汗を流している。

 一方、市は20年12月、スポーツ施設の適切な維持管理のため、各施設の方針を同計画の素案にまとめた。この中で、経年劣化による安全性や改善コストなどを理由に武徳殿を廃止する方針を示した。廃止後は代替施設として、栃木東中の武道場の利用を促すという。

 同連盟の会員らからは「長年稽古した場所を残してほしい」「剣道を通して地域の交流を生む場所だった」などの声が上がっている。同連盟は3月中に、使用継続や歴史的建造物として市有形文化財登録を求める旨の要望書を市へ提出する予定だ。既に1600人ほどの署名が集まったという。

 金山会長(70)は「蔵の街にもふさわしい貴重な歴史的建造物。剣道を志す子どもたちのためにも残したい」と話している。