ベッドを取り除き、机やソファを配置したテレワーク専用ルーム=2月下旬、宇都宮市のホテルニューイタヤ

 コロナ禍で宇都宮市内のシティーホテルの苦境が続いている。宿泊の需要減に加え、書き入れ時の忘年会や新年会、賀詞交歓会などが軒並みキャンセルとなったためだ。ただ、あの手この手の新企画を投じるホテルもある。客室をテレワーク専用やトレーニングルームに変更したり、仏料理のコースのテークアウトを始めたりと、新たな顧客ニーズの獲得に奮闘している。

 「宴会や会合はほとんどキャンセルになった。昨年12月、今年1月はどん底だった」。ホテルニューイタヤ(宇都宮市)の猪瀬龍之介(いのせりゅうのすけ)取締役総支配人(65)はこう振り返る。

 売上高の7割は企業や団体などの会合や宴会などが占める。昨秋からやや上向きかけていたが、感染急拡大は収益の柱を直撃した。

 厳しい経営を迫られる中、新企画で挑む。2月下旬から、テレワーク専用ルームを設けた。客室の大部分を占めるベッドを外してソファとテーブルを配置し、大きめの机も備えた。

 最大12時間滞在できるテレワーク応援プラン(2500円~)は昨年4月から始めたが、今回は客室をテレワークに特化したレイアウトに変えた。別プランで客室に自転車型トレーニング器具やダンベルを備えたトレーニングルームも設けた。客室を持ち込み飲食の場として貸し出す「部屋飲みプラン」も打ち出した。

 飲食関係では2月11日から3月14日まで、バレンタインなどに合わせたホテルフレンチのコース(2人前6千円)のテークアウトを始めた。「こちらから発信してお客さまとの関わりを持つしかない」。田嶋宏章(たじまひろあき)専務(33)は強調した。

 1月18日から全館休業中で、3月1日に営業を再開した宇都宮グランドホテル(宇都宮市)は、3月限定で10泊5万円プランを売り出した。春の新生活に向けた引っ越しシーズンを迎え、仮住まいが必要な人やコロナ禍のリモートワークに活用してもらう狙い。人気の高いデラックスツインタイプの5室を用意した。

 昨年末から各団体の忘年会や賀詞交歓会、成人式などが相次いで取りやめになり、1月の売り上げは例年の2割程度まで落ち込んだ。

 宇都宮グランドホテルは「今回のプランでこれまで利用されていなかった方を取り込みたい」考えだ。