追悼式に向けて「竹明かり」の準備をする原田さん(右)ら

 東日本大震災の被災地、宮城県気仙沼市との交流を続けている野木町、NPO法人理事長原田孝之(はらだたかゆき)さん(47)ら有志が11日、震災発生10年の節目に合わせ同所「のぎ水辺の楽校」で「竹明かり追悼式」を行う。苦難に立ち向かう被災者と接し「勇気をもらった」と話す原田さん。被災地に思いを寄せ、新たな支援活動の始まりを誓う。

◇東日本大震災10年特集

 原田さんは2011年4月29日、仲間と共に炊き出しのボランティアをしに同市内の避難所を訪れた。現地へ向かう車窓から見た光景は「それまで普通の風景だったのに、ある一線を越えた途端、車はひっくり返り、家が倒れ、ビルの上に船が載っていた」。

 その日、現地で出会ったのが老舗料理店の4代目坂本倫理(さかもとつねとし)さん(44)だった。気仙沼湾近くにあった自宅兼店舗は津波で全壊。しかし「料理人らしく、料理でみんなを元気づけたい」とボランティアで炊き出しをしていた。

 「私の代で店をつぶす訳にはいかない」と、泣き言も言わず立ち上がる坂本さんの姿を見て、原田さんは「また来る」と握手を交わし、以来10年間で50回近く通った。

 坂本さんの店は再建され、18年5月に再開。祝福に駆け付けた原田さんは1人泣きじゃくった。坂本さんは「うれしかった。言葉はないです。気持ちで通じるから。心の支えになってくれた」と振り返る。

 原田さんは今年、新型コロナウイルスの影響で現地入りを断念。代わりに有志と追悼式を企画した。約600本の竹の筒を「想いあう心」という文字の形に並べ火をともす。「10年は終わりではなく新たな始まり。まだ復興していない。コロナ禍による打撃も受けている」と、今後も仲間を連れて訪問するつもりだ。

 追悼式は11日午後6時から。同5時からオカリナ演奏。参加無料。