ひなに餌を与えるコウノトリの親鳥。足元に2羽のひなの頭部が見える=4月5日午前9時、小山市下生井の渡良瀬遊水地人工巣塔(星野義和さん撮影の動画から)

 栃木県小山市は9日、同市下生井の渡良瀬遊水地で今春生まれた国の特別天然記念物コウノトリのひな3羽のうち、1羽が死んだと発表した。親鳥による「間引き」とみられる。ひなが親鳥に巣から振り落とされる様子を市民が動画で撮影し、市に提供していた。

 市によると8日午後5時40分ごろ、市民から「コウノトリのひなが巣から落ちた」と電話があった。約40分後、同市自然共生課の職員が巣の下でひなを発見、死んでいるのを確認した上で回収した。死んだひなは体長約20センチ。ほかの2羽に比べると首が細いという。

 市が専門機関に問い合わせたところ、コウノトリなど鳥類は、複数のひなのうち最後にふ化して小さかったり、餌を食べられず弱ったりしている個体を親鳥が死なせる「間引き」をすることがあるという。残ったひなにたくさんの餌を与えて巣立つ可能性を高めることなどが目的とされる。

 浅野正富(あさのまさとみ)市長は「改めてコウノトリが自然下で生きることの厳しさを感じている。ひなの冥福をお祈りするとともに、残された2羽が健やかに成長し、大空に羽ばたくことを心より願っている」とのコメントを発表した。