真岡市長選に立候補を予定する石坂氏(右)と佐々木氏。新庁舎(写真後方)の周辺整備事業などが争点になりそうだ

 18日告示、25日投開票の真岡市長選は、市議で学校法人理事長佐々木重信(ささきしげのぶ)氏(81)の立候補表明により、12年ぶりに選挙戦となる可能性が出てきた。再選を目指す現職石坂真一(いしざかしんいち)氏(65)=自民、公明推薦=との一騎打ち。無投票ムードから一転、急きょ記者会見を開いた佐々木氏の出馬に至る経緯をたどるとともに、選挙戦になった場合の争点を探った。

■返り咲き伏線

 市長選の事前審査を控えた9日午前、市役所4階会議室。佐々木氏は会社役員の長男(46)らと記者会見に臨み、出馬に踏み切る理由をこう強調した。

 「現市政は行き過ぎが目立つ。長男らに出馬を要請したが難しく、『自分がやらざるを得ないのかな』と思った。きょう(9日)、立候補を決意した」

 佐々木氏は市議2期、県議3期を務めた後、市議通算3期目の2007年に議員辞職。政界からしばらく身を引いていたが、19年4月の市議選に突然出馬し、最下位当選した。

 市長選にも過去2回挑み、いずれも落選した佐々木氏。「市議返り咲きが伏線となって政治への思いが再び強まる中、市長選が視野に入ったのでは」。複数の市議はそう推測する。

■実績アピール

 石坂氏はPCR検査センターの早期開設や緊急対策資金創設などの新型コロナウイルス対策を含む1期目の実績をアピール。加えて、子どもの元気な成長や安心な暮らしの実現、まちの活力再生・魅力創出といった五つのプロジェクトと36項目の施策を公約に掲げる。

 これに対し佐々木氏は(1)44億円の図書館建設等は中止し、4億円で新庁舎周辺に農産物販売所を整備(2)残った事業費などで新型コロナで生活に困る市民へ1人5万円を支給する-など12項目を主張する。

 新たな図書館は、子育て支援センターなどとともに、新庁舎周辺のにぎわい創出や中心街活性化を目的に市が整備を進める複合交流拠点機能の一つ。市総合政策部によると、施設の設計・施工・運営を同じ民間業者に一括委託する「DBO方式」を初採用して事業費の上限額を約39億円とし、さらに減額の可能性もある。

■早くも火花を

 告示を前に、早くも双方が火花を散らしている。

 佐々木氏は会見を開いた9日、公約や告示後の街頭演説スケジュールを記載したA4判のチラシを市内全戸に配布。「政治生命を懸けて臨む」と意欲を語る。

 一方、石坂氏は10日、市内各地で街頭活動を実施。佐々木氏の指摘に「複合交流拠点施設の事業費は国の補助金や合併推進債などを充て、市の一般財源から支出するお金はそんなに多くない」と反論。「何を財源に市民へ5万円を支給するのか。全く理解できない」と、論戦を受けて立つ構えだ。