養豚場内で防疫作業を進める県職員ら=18日午前、那須塩原市(県提供)

 豚熱(CSF)の感染が確認された栃木県那須塩原市の養豚場では18日、白い防護服に身を包んだ県職員らが前日に続き殺処分や消毒などの作業に追われた。8時間ごとに入れ替わり、夜を通しての作業。県職員からは使命感とともに、精神的な疲れを訴える声も漏れた。

 午前8時すぎ、作業拠点となる同市内の体育館には、一晩の作業を終えた県職員たちが疲れた表情で戻った。

 県によると、豚は電気ショックや薬品の注射で殺処分される。殺処分は獣医師の役割だが、豚舎内の豚を追い込んだり、殺処分後の豚を豚舎の外に運び出したりするのは県職員らの仕事だ。

 子豚を殺処分の場所に誘導する役割を担った男性職員(33)は「処分は仕方ないことだが、かわいそうだと感じた」と深いため息をついた。

 殺処分された豚を数える作業に従事した男性職員(26)は「処分される時の豚の鳴き声が人間の悲鳴のよう…」。生き物の命を絶つことの精神的な負担を訴えながらも「それでも防疫のためやるしかない」と自らに言い聞かせるように話した。

 養豚場付近では重機の作業音とともに時折、「ピー」という甲高い豚の鳴き声が響いた。殺処分された豚が入れられた袋は、敷地内などに掘られた深さ約2~4メートルの穴に移され、石灰と土で埋められるという。

 遠くから作業を眺めていた近くの男性(64)は「新聞で那須塩原市とあったのでどこかと思ったら近所で驚いた。人には影響はないと聞いているが、地元の他の豚肉への風評被害が心配だ」と案じた。