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実証実験が始まった自動運転のバス=6日午前10時20分、茂木町茂木

 自動運転バスの実用化を目指す県の「ABCプロジェクト」の初の実証実験が6日、茂木町でスタートした。地元町民ら約40人も乗車し、実装への期待を高めた。県は20日までの計13日間で効果を検証。2023年度までに県内10市町で実験を行い、25年度までの実装を目指す。ただ今回はまだ初歩的な段階で、実現に向けては技術の進歩や成果の積み重ねが必須だ。

 6日午前。乗客を乗せたマイクロバスが公道に入る。運転手はハンドルを握っていない。ハンドルが自動で回り、スムーズに左折していった。

 茂木町での実験は、中山間地域の高齢者らの移動手段確保を目的とする。区間は道の駅もてぎと茂木駅、ふみの森もてぎを結ぶ往復約3・7キロ。道路の形状などを3D化した地図を基に走り、マイクロバスに搭載したカメラやセンサーが車両の位置や信号、障害物を認知する。運転手は乗車し、踏切など一部区間を除き自動で運行した。

 乗車した茂木町在住の自営業高木誠一(たかぎせいいち)さん(64)は「乗り心地は普通のバスと変わらない。免許返納にもプラスだ」と評価。福田富一(ふくだとみかず)知事は「運転手不足など公共交通の課題解決に有効。県民にも体験してもらい、実装に向けた機運を醸成したい」と期待した。

 今回の自動運転のレベルは、人間に運転の責任能力がある「2」。運転手は有事にいつでも対応できるよう手をハンドルに添え、車両が急に飛び出してくる場合も考慮し交差点での発進は自ら操作した。県は今後実験を重ねながら、よりシステムの比重が大きい「3」、無人運転が可能となる「4」へとレベルを上げていく考えだ。

 今回は、一部区間で衛星利用測位システム(GPS)が使いづらかったり、歩行者信号が見えづらかったりするなどの課題も見つかったという。プロジェクトの担当者は「まずはこの2週間で検証し、普及を目指していく」と話している。

 県は本年度、那須塩原市、壬生町、小山市でも実証実験を実施する。