県内新型コロナ自宅療養者数の推移

 新型コロナウイルスの急拡大に伴い栃木県内の自宅療養者が急増し、3日時点で計547人に上っている。病床が逼迫(ひっぱく)し、入院できた人の割合を示す「入院率」は22.5%(2日時点)にまで低下した。県によると、軽症・無症状者の若年層が多いが、自宅療養中に容体が急変する恐れもある。感染拡大に歯止めがかからない中、支援体制の構築が急務となっている。

 感染力の強い変異株「デルタ株」の影響で、県内では7月後半から感染者が増加。自宅療養者は多くても40人台だったが、同28日には100人を超えた。それまで「入院調整中」としていた約150人も8月に入り、調整が付かない状態となり、自宅療養者に振り分けられた。

 県は感染者への対応として「原則入院」の方針を取ってきたが、現在は肺炎の兆候などがない軽症・無症状者は自宅療養を余儀なくされている。

 2日時点で県が確保しているコロナ病床は448床で、このうち、すぐに入院可能な「即応病床」は371床。だが、救急医療などに支障が出ない範囲で実際に対応できるのは220床程度だ。

 入院者は3日時点で202人で、9割が埋まっている。県感染症対策課担当者は「これ以上入院させられない状態」と切迫した現状を説明する。

 ホテルなどの宿泊療養施設では638室を確保する一方、現在稼働しているのは県内3カ所の約230室。3日時点で199人が入室しており「宿泊療養施設に入るのにも優先順位を付けざるを得なくなっている」(担当者)。

 自宅療養者の増加で懸念されるのが、健康状態の把握や容体急変への対応だ。県は、血中の酸素濃度を測る「パルスオキシメーター」を無償貸与し、保健所が療養者に電話し健康確認などを行っている。ただ、マンパワーは不足している状況という。

 容体急変で命にかかわるリスクも負うため、今後は地域の医師による往診を行う方向で、調整を進めている。

 同課担当者は「保健所での対応や病床確保、宿泊療養施設での課題など、解決に向けて努力を続けるしかない」としている。