法定を下回る残業代で外国人技能実習生を働かせていた問題の根底には、実習生に対しての受け入れ農家の甘えがあると感じた。

 JAしおのや(さくら市桜野)の組合員農家が中国人実習生に残業代の一部を不払いだった問題を巡り、複数の農家を取材した。どの農家も悔いる一方で、「実習生も納得していた」という声も多かった。

 外国人に技能や知識を伝えることを目的とする実習制度だが、受け入れ側には労働力の確保、実習生側には出稼ぎの側面もあるようだ。農家の70代男性は「少しでも多く稼ぎたがっていた。残業代が少なくてもいいからたくさん働きたいと言っていた」と漏らす。

 農家は東京入国管理局から5年間の実習生受け入れ停止処分を受けた。「正直、5年と聞いてがくぜんとした」。法令を無視し、実習生の気持ちに甘えたツケは想像以上に重かった。

 近年、県内の実習生の数は急増している。実習生は都合の良い労働力だという考え方を、受け入れる側は改める必要がある。