足利高と足利女子高の生徒が作成した学校紹介動画

中学生に配布する学校案内を手にする小島教頭=宇都宮中央女子高

足利高と足利女子高の生徒が作成した学校紹介動画 中学生に配布する学校案内を手にする小島教頭=宇都宮中央女子高

 新型コロナウイルス感染拡大が深刻化し、栃木県内の県立高のうち28校で主に中学3年生を対象にした1日体験学習が中止となった。「学校に行って雰囲気を知りたかった」と残念がる生徒は少なくない。各校はコロナ禍での日程再調整は難しいとして、ホームページ(HP)を使った発信強化を図り受験生の不安払拭(ふっしょく)に努める考え。専門家は「子どもたちが主体的に志望校の情報を収集するには、大人の支援が必要」と指摘する。

 「楽しみにしていた体験学習が中止になり残念」。宇都宮市北部の中学3年生(15)は声を落とす。希望していた高校の1日体験学習の中止を知り「コロナ禍だから仕方がない」と理解しつつも「実際に行って分かる雰囲気があるはず。進路選択の情報を得る機会が少なくなった」と不安を隠さない。

 県教育委員会は、警戒度レベルが県版ステージ4になったことを受け、8月8日以降の県立高1日体験学習の実施を見合わせた。未実施校は同学習に代わる対応に追われている。

 来年男女共学化し校名も「宇都宮中央高」になる宇都宮中央女子高は、同学習に生徒と保護者合わせて約3千人の参加希望があった。例年のほぼ倍で、小島浩二(おじまこうじ)教頭は「期待の大きさを感じた」と話し、当初2部制だった日程を3部制にし中学生らを迎える準備を進めていた。

 しかし「在校生の授業や設備工事中で、3千人規模の体験学習を開くのは難しい」と判断。延期はせずHPに新校の特色である「進学に重点を置く単位制」の説明を掲載するなど充実を図ることにした。「説明会を希望する中学校へ積極的に訪れたい」と話す。

 来年「足利高」になる足利高と足利女子高の両校は、学校紹介動画を作成し、今月13日に公開を始めた。教育方針やカリキュラム、部活動、新校歌などを5部構成約1時間にまとめた。

 武藤敬一(むとうけいいち)足利高教頭は「校舎内の紹介や部活動などは両校の生徒会を中心に生徒目線で作成した。生の声が発信できたのではないか」とする。今後は中学生の知りたい情報を「Q&A」などの形でHPに掲載する考えだ。

 県教委がまとめた各校対応一覧によると、ビデオ会議システムを使った同学習や学校開放などを行う学校もある。

 宇都宮大共同教育学部の川原誠司(かわはらせいし)准教授(教育心理学)は、保護者や中学校に対し「子どもたちが入試に関する正確な情報を主体的に取得できるよう支援してほしい」と不安解消への取り組みを求めた。さらに「中学と高校が連携し、中学生が望む情報をHPなどを使って発信することも有効だ」と話している。