人気菓子「バターのいとこ」の増産に向けて協力することとなった森林ノ牧場の山川代表(左)と那須興業の矢澤社長

 国内で希少なジャージー牛を飼育する那須高原りんどう湖ファミリー牧場(栃木県那須町高久丙)は、同じくジャージー牛を飼育する森林ノ牧場(同町豊原乙)の呼び掛けに応じ、森林ノ牧場の人気菓子「バターのいとこ」の原料となるスキムミルクを供給することを決めた。新型コロナウイルス禍で消費が落ち込む中、近隣で競合関係にある両者は「オール那須」の姿勢で地元酪農の活性化に貢献しようと意気込んでいる。

 バターのいとこは、とろりとしたミルクジャムをゴーフル生地で挟んだ菓子。森林ノ牧場の山川将弘(やまかわまさひろ)代表(39)が、生乳からバターを製造する過程で残るスキムミルクを活用するために考案した。2018年から販売されると口コミで評判が広がり、現在は羽田空港や東京スカイツリー内の店舗にも置かれるなど人気が高まっている。

 商品の売り上げが伸びるにつれてスキムミルクが不足してきたことを実感した山川代表は今夏、以前からバター製造に取り組んでいたファミリー牧場に連携を打診。同牧場もスキムミルクの活用策を求めていたため、スムーズに話がまとまった。今月末から月1トンペースで供給する予定だという。

 両者は昨年6月、両牧場の牛乳や乳製品を食べ飲み比べできるセット商品を販売するなど那須地域の酪農振興を目指して協力。山川代表は「本来はライバル同士だが、地域全体で生き残るには協力することが不可欠。安定的に原料が入ることで生産量の拡大につながれば」と期待を寄せる。

 ファミリー牧場を運営する那須興業の矢澤剛志(やざわごうし)社長(46)は「コロナ禍の厳しい状況を打破するのは『協業』の発想。力を合わせて那須の魅力や特徴を全国に届けたい」と話している。