「書・乳の友 東京展」の会場風景

「乳の友」として書展を開く(右から)佐藤さん、小久保さん、内野さん

「書・乳の友 東京展」の会場風景 「乳の友」として書展を開く(右から)佐藤さん、小久保さん、内野さん

 県内若手書家の3人展「書・乳の友」が8~12日、鹿沼市文化活動交流館で開かれる。9月開催がコロナ禍で延期されていた。3人は「書という枠にとらわれず、着飾らない日常を表現した。構えず楽しんで見てほしい」と口をそろえる。

 書家で鹿沼市在住の佐藤達也(さとうたつや)さん(31)と小久保充基(こくぼみつき)さん(24)、宇都宮市の内野直弥(うちのなおや)さん(28)は、佐藤さんが主宰した平成生まれの書家集団「僕らの書展」のメンバー。同団体は昨年、10年間の活動を終え解散したが、つながりの深かった3人が今展を企画。「乳の友」は連絡を取り合うグループ名だという。

 今年9月に都内で開いた初の3人展は、若い世代を中心に約100人が来場。「書の繊細な線や墨色の質感はウェブでは伝えきれないし、じかに見てもらうことで刺激になった」と佐藤さん。地元でも同月末に開くはずだったが会場が臨時休館で延期。地元展で初個展を同時開催する小久保さんは、「中止にならずほっとした。時間ができた分、作品を書き込めた」と前向きに捉える。

 文字の形を追求している小久保さんは、グラフィック的な切り口が持ち味。高校時代に書と出合い、大学卒業後は宇都宮市の多気山持宝院に浄書として勤務する。「とにかく書いている時が楽しい」と自然体で、金文を中心に古代の文字の形を借りた作品など、個展と合わせ26点を予定する。

 同展を「個が集まってやりたいことを素直に表現した」と位置付ける内野さんは、書のほか版画を含め約10点を出品。もの作りがもともと好きで、「書も版画も手法が違うだけ。白と黒の境界、際の線にこだわっているのでその面白さを見てもらえれば」とユニークな視点に立つ。

 2人の高校時代の恩師、先輩でもある佐藤さんは、「素材をどう捉えたのか、ものを作る過程をどう楽しんだのか、それぞれの作品から浮かび上がってくるのが興味深い」と解説。自身の作品では「微妙なストロークや筆圧の違いも見どころ」という。「新しい書を目指した『僕ら~』と違い、気負いのない普通の僕らから、また違った書の面白さを知ってほしい」と来場を呼び掛ける。入場無料。