色鮮やかな改良品種のメダカ(手前)。コロナ下で飼育の人気が高まっている=11月24日、小山市犬塚

 観賞用メダカに人気が集まっている。育てやすさに加え、多様な改良品種の登場で火が付き、最近は自宅で手軽にできるコロナ下の趣味として栃木県内でも広がりつつある。扱う業者は「ブームの波が大きくなっている。奥深い魅力を知ってほしい」と門戸を広げて待つ。

 11月24日、小山市犬塚の「小山メダカセンター」。常連客で宇都宮市の会社員坂本勇(さかもといさむ)さん(44)はこの日も店を訪れた。5年前、娘にねだられ地域の祭りで「楊貴妃(ようきひ)」という品種を買ったのが始まりだった。卵を採って繁殖する楽しさに魅了され、「今はプラ舟(飼育容器)の置き場に困るほど完全にはまった。餌も重要なんです」とミジンコが入った袋を手に笑顔を見せた。

 店主の酒主豊(さかぬしゆたか)さん(45)は「『おうち時間』の増加で新たに始める人も増え、裾野が広がっている」と話す。独自品種「陽明三色(ようめいさんしょく)」など約30種、1匹100円から数万円のものを取り扱う。会員制交流サイト(SNS)やユーチューブの影響もあり、県内外から問い合わせが相次ぐ。

 日本メダカ協会理事長の大場幸雄(おおばゆきお)さん(67)によると、2004年に大場さんが生み出した楊貴妃などを契機に、改良品種のブームが起きた。ニシキゴイや金魚のような赤、黒、白など多様な色、長いヒレ、体の光り具合など華やかな個体が次々と生まれ、今や500~600品種と言われる。

 メダカは暑さ寒さに比較的強く、大掛かりな飼育装置も不要。初心者でも繁殖が容易なのも特徴だ。東日本大震災に伴う停電で、ヒーターを使う熱帯魚飼育が打撃を受けたこともメダカに注目が集まった要因の一つとされている。

 栃木市都賀町臼久保の「メダカ園たむら」は「翼龍(よくりゅう)」などオリジナル品種を含む約100種類をそろえ、青森や新潟、静岡県などからも客が来る。店主の田村昌司(たむらしょうじ)さん(56)は「コロナ下で県内でも若い人や女性客が増えていることも大きな変化」とみている。

 大場さんは「改良品種の自然の川などへの放流は絶対にしてはいけない」と飼育する責任にも念を押す。