北京冬季五輪アイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」が3日、スウェーデンとの1次リーグ初戦を3-1で快勝した。栃木県日光市出身のDF小池詩織(こいけしおり)選手(28)=道路建設ペリグリン=は先制点を挙げるなど大活躍。同市内の実家では父真(まこと)さん(60)と母美知子(みちこ)さん(58)がテレビ観戦し、チームの勝利に貢献したまな娘の勇姿に大きな拍手を送った。
2人が娘の試合をリアルタイムで観戦するのは、前回平昌(ピョンチャン)五輪以来4年ぶり。試合前から落ち着かなかったという美知子さんへ、同日午後に送られてきた通信アプリ「LINE(ライン)」のメッセージは「詩織はリラックスしているよ。楽しんで頑張るね!」。その言葉通りに躍動した。
日本が押し気味で迎えた第1ピリオド残り47秒。小池選手はゴール前でパスを受けると、強烈なシュートをネットに突き刺した。
「詩織が決めた!」。テレビ前の2人は両手を挙げて大喜び。HC栃木日光アイスバックスの前身となる古河電工の元選手の真さんは「少しでもタイミングがずれたら入っていない」とうなる会心の一撃。「昔から(DFながら)攻めるのが好きなんですよ」と目尻を光らせながら笑った。
日本は着実に加点し、2人は拍手で白星発進を喜んだ。美知子さんは「たくましくなった。過去2度の五輪は、(娘が)代表になっていいのかなと不安になったこともあった。ようやく一員になれた気がする」と安堵(あんど)の表情。真さんは「楽しんでこい、と伝えたが本当にその通りプレーしていた。今後も1試合ずつしっかりやれば結果はついてくるはず」と期待を込めた。
恩師も熱戦を見守った。母校の日光明峰高でアイスホッケー部の監督だった高久龍也(たかくたつや)さん(64)は自宅のテレビで観戦。「チームの要として活躍していてうれしかった」と喜ぶ。第1ピリオド19分には先制点も決め、「高校の時からシュートが得意だった」と懐かしんだ。今後の1次リーグも全て観戦すると言い、「テレビを通して応援したい」とエールを送った。