手間暇をかけて作られたぜんざい

 おわんのふたを開けると、ふわっと優しい香りが広がった。

 あんこ好きをとりこにする、とろとろで濃厚なぜんざい(750円)。つやつやのあんこに喉が鳴る。口に運ぶと、こくがあってまろやかな甘さ。うぅん! たまらない。口に残っているうちから次の一口が待ち遠しい。

 とろみの秘密は、職人技のたまもの。約1時間かけて、こしあんを練っているという。

 あんこを存分に楽しみ、ようやく焼き餅のかりっとした表面を箸で割る。手でついているというだけあって、よく伸びる。弾力があって舌触りは滑らか。思わず頬が緩んだ。

 途中、ぴりっと辛めの漬物で口直し。最後は餅にあんこをたっぷり絡めて甘さを堪能する。瞬く間に平らげてしまった。

 1951年の創業。メニューはほとんど変えず、自家製を貫く。仕込みは朝5時から。「昔から通ってくれる方もいるし、手間が掛かっても変えられないんです」。2代目店主の神保昇司(じんぼしょうじ)さん(79)が柔らかな表情を見せた。

 季節を問わず恋しくなる味。また来よっと。

◆メモ 宇都宮市馬場通り1の1の20。▽営業時間 午前11時半~午後4時半▽定休日 月、火曜▽(問)028・624・1970