森の中にたたずむ市冒険活動センターの管理棟

 宇都宮市篠井町の市冒険活動センターの事業に対する国の補助金カットを巡り、市が不満を募らせている。市内小中学生の宿泊を伴う体験活動が新型コロナウイルスの影響で縮小を余儀なくされたにもかかわらず、文部科学省は「2泊3日以上の事業しか補助金を交付できない」として、原則論を譲らないためだ。この2年間で補助金として見込んでいた約1500万円がゼロとなり、本年度も一部の交付見通しが立っていないという。

 問題となっているのは「冒険活動推進事業」の補助金。市スポーツ振興課によると、学校と同センターの送迎に用いる大型バスの借り上げ料を文科省に補助申請してきた。市独自の同事業には、毎年市内の全小学5年生と全中学1年生計約1万人が参加している。

 コロナ以前は補助事業の対象要件を満たす2泊3日で行われていた。2019年度は453台の大型バスを2072万円で借り上げ、その3分の1の734万円が補助金として国から交付された。

 コロナ禍の20、21年度は、感染防止のため日帰りや1泊2日で行った。送迎バスは使わざるを得ないが、補助対象外となる。市は「宿泊日数にかかわらず補助金を交付できるよう、実施要領を改訂すべきだ」として、同様の施設を持つ中核市教育長会などを通じて文科省に要望したが「なしのつぶてだった」(同課)という。

 本年度から中学生は本来の2泊3日に戻った。しかし小学生は1泊2日に据え置きのため、バスの借り上げ料69校分で補助金として見込んでいた380万円は市の負担となりそう。同課は「コロナの影響は今後も見通せず、宿泊数の変更が考えられる。引き続き国に補助金交付を要望したい」としている。