JR宇都宮駅東側で進むLRT軌道敷設工事。一部区間の工期が遅れ、開業が再延期される見通しとなった=27日午後5時35分、宇都宮市東宿郷6丁目

 栃木県の宇都宮市と芳賀町が進めるJR宇都宮駅東側の次世代型路面電車(LRT)整備事業で、2023年3月末を予定していた全線開業が一部工事の遅れで困難となり、両市町が開業延期の方向で最終調整していることが27日、関係者への取材で分かった。開業を延期すればこれで2度目。当初の開業予定は22年3月で、1年延期されていた。今回の延期幅は現在精査中だが、数カ月となる見込み。

 関係者によると、芳賀町との境界に近い宇都宮市の野高谷(のごや)交差点架橋工事が予定より約3カ月遅れている。清原、芳賀両工業団地に挟まれて交通量が多い上、熟練の作業員不足もあって遅れを取り戻せない見通しになったという。

 市は全線を通しての試運転を年内に実施するとしていたが、工期の遅れで年明けにずれ込む見通し。試運転に続く習熟運転の期間と合わせると、一般的に2~3カ月必要とされるため、来年3月の全線開業は事実上困難となった。

 昨年2月に発表された1度目の開業延期では、軟弱地盤の強化工事など全線で約226億円の追加負担が明らかになり、概算総事業費は見込みの1.5倍に当たる684億円に膨らんだ。今回の工期の遅れに伴う追加負担は発生しない見込み。

 ただ開業を再延期すれば、LRT運営会社「宇都宮ライトレール」の開業前経費が増えるのは必至。1度目の延期の際は5億円の経費増を両市町が負担した。今回は宇都宮市側の事情が原因となるため、負担割合は今後の調整次第となりそうだ。

 LRT整備事業は、JR宇都宮駅東口から芳賀町の芳賀・高根沢工業団地までの14.6キロで工事が進められている。現在は軌道敷設工事や停留場整備などが行われている。野高谷交差点架橋工事以外に目立った工期の遅れは出ていない。