閉店から3年が経過する旧宇都宮パルコ。手前は宇都宮二荒山神社の大鳥居

 【宇都宮】シャッターを下ろして3年となる宇都宮パルコ。ビルは中心市街地の一等地に立つだけに、市街地のにぎわいを重視する行政側も強い懸念を持っている。これまでも関係者からはさまざまなアイデアや提言がなされてきたが、あくまでも民有地のため行政として積極的に手を出せず、決め手に欠けるのが実情だ。

 パルコの開業は、十数人の地権者が1994年、再開発事業のため準備組合を設立したのが始まりだった。その後、都市計画決定され97年に開店。全体事業費約80億円のうち国が13億円、県と宇都宮市が7億円ずつ補助金を支出した。合計で約27億円の公金がつぎ込まれたことになる。

 それだけに関係者の関心は大きい。県議会や市議会の一部には、MEGAドン・キホーテ宇都宮店が入居する西隣のビルと合わせ「一体的な再開発を進めるべきだ」との意見がある。県立図書館や同美術館、市立美術館などの機能を誘致したり、サテライト拠点としたりすることで旧パルコを含むバンバ地区の一体的な再開発を進める構想だ。

 パルコ本体からの家賃収入が途絶えた今、後継テナント選びは喫緊の課題。ビル所有権の半数近くを握る斎藤商事の斎藤公則(さいとうきみのり)専務は、再開発一体論について「一理あるが、時間がかかり過ぎる」と懐疑的だ。

 後継テナント選びが難航する中で、現実味を帯びてきそうなのが低層階を先行して貸し出す方式。貸出先として関係者が熱い視線を向けるのが宇都宮市。今春閉店したオリオン通りの市アンテナショップ「宮カフェ」の復活出店を望む声がある。関係者の一人は「市にはぜひ、力を貸していただきたい」と期待する。

 市は「具体的には何も検討していない」(商工振興課)とするが、佐藤栄一(さとうえいいち)市長は27日の定例記者会見で「中心市街地活性化には市長になる前から重要課題として取り組んできた。後継テナント選びはできる限り協力したい」と意欲を見せた。