校内中庭でくつろぐ生徒たち。トランペットの演奏や読書をする生徒もいた=20日、佐野高

 学校でも家でもない「サードプレイス(第3の居場所)」をつくろうと、佐野高で取り組みが始まった。校内に設けたカフェで軽食を用意して生徒を出迎える。生徒有志が準備し、地元和菓子店の協力も得た。日々の生活での緊張を解き、くつろげる場に-。そんな場所を目指している。

 今月下旬、正午過ぎ。初夏の日差しが差し込む同校の中庭に、中間試験を終えた生徒が次々に姿を見せた。冷えた飲み物や菓子が振る舞われ、思い思いの会話を楽しむ。初開催のこの日は約50人の生徒が集まった。

 「ひだまり喫茶」と名付けたカフェの発起人は、同校3年の石塚凜花(いしづかりんか)さん(17)。自身がボランティア活動に取り組む中で「第三者との交流だからこそ話せる本音もある」と感じ、校内カフェを思い付いた。

 学校の了承を得て、今月から友人らと準備を開始。テントやレジャーシートを確保し、校内にポスターを貼って参加を呼びかけた。学校や地元の菓子店「味噌(みそ)まんじゅう新井屋」が協力し、物品を提供してくれた。

 参加した1年内田光優(うちだみゆ)さん(15)は「新生活にまだ慣れていない。勉強と切り離された場所があるのはいい」と笑顔を見せた。

 サードプレイスを校内に設ける取り組みは大阪府で始まり、人間関係や家庭環境など表面化しにくい問題の早期発見にもなるとして全国に広がっている。県教委によると、県内での実施は珍しいという。

 同校の久保田一志(くぼたひとし)教諭(58)は「運営に関わるメンバーにとっても意義がある」と生徒の自主的な活動を見守る。

 今後は参加した生徒が気軽に悩みを打ち明けられるよう地域のNPO法人など外部の協力も仰ぐ予定だ。石塚さんは「運営費の確保など課題はあるけど、活動を重ねて新しい関係が生まれる場所をつくっていきたい」と語った。