巣立ちして初めて空を飛ぶコウノトリのひなた(左)=小山市下生井の渡良瀬遊水地(海老沢実さん撮影)

 栃木県小山市下生井の渡良瀬遊水地で生まれた国の特別天然記念物コウノトリの幼鳥1羽が5日、人工巣塔から初めて巣立った。

 推定ふ化日の3月29日から69日目。巣立ったのは2羽のうち雌の「ひなた」で、午後0時53分ごろ、巣を飛び立って遊水地上空を大きく旋回し、同1時1分ごろに親鳥がいた人工巣塔西側の水辺に降り立った。その後再び巣立ち、堤防上で一挙手一投足を見守っていた大勢のカメラマンらの頭上を飛んだり、電柱にとまってみせたりした。

 雄の「セラ」もこの日、巣立とうとする姿を繰り返し見せたが、巣以外に着地することはなかった。

 幼鳥は巣立ちから1週間ほど巣の周辺で親鳥と過ごし、次第に親鳥と離れて行動するようになるという。

 連日幼鳥を観察してきた同市乙女1丁目、無職横田耕司(よこたこうじ)さん(72)は「今年も雌の方が先に巣立った」と日に焼けた顔をほころばせた。巣立ちの瞬間を写真に収めた埼玉県川口市安行領根岸、無職海老沢実(えびさわみのる)さん(67)も「(5月28日の)命名式から4日間通った。立ち会えてうれしい」と喜んでいた。