緑と清流が美しい木の俣園地

木の俣園地での清掃活動で集まったごみ

緑と清流が美しい木の俣園地 木の俣園地での清掃活動で集まったごみ

 自然散策スポットとして人気を集める那須塩原市百村(もむら)の「木の俣園地」で、来訪者によるごみの投棄や騒音などの観光公害が問題となっている。10年ほど前から目立つようになり、地元の切実な声を受けた市は、同園地での禁止行為を定めて違反者に過料を科すことなどを盛り込んだ「木の俣園地条例」を7月1日に施行する。観光事業者らは行政による対策を歓迎する一方、条例の網にかからない周辺地域の環境悪化を懸念している。

 同園地は、那珂川の支流・木の俣川が流れる約4万3千平方メートルの緑地。清流と豊かな緑の景観で知られ、市有、国有地が混在した敷地に遊歩道やつり橋などがある。2011年ごろから口コミで人気が広まり、来訪者が増加。バーベキューの道具や食べ残しといったごみの投棄、たき火跡の放置、大音量の音楽による騒音トラブルなどが毎年発生するようになった。

 このため地元が市に対策を要望。市は5年ほど前から、地域の生活環境や生態系の保護を目的に、ごみを持ち帰り、火気は使用しないよう現地に看板を設置するなどして呼びかけたが改善されなかった。

 今夏は状況が好転するか、関係者は気をもんでいる。今年一番の人出となったゴールデンウイークの後の5月上旬、同園地の駐車場や遊歩道には、ごみが詰まったポリ袋や空き缶、サンダルなどが散乱していた。板室温泉活性化委員会の山口忠孝(やまぐちただたか)委員長(52)はごみを一つずつ拾いながら、「がっかりですよね」とため息をついた。

 山口委員長は同園地近くの板室温泉で旅館を経営している。「板室の観光は自然に支えられている。常連客から『二度と行きたくない』と言われてしまうほどの状況」と憤っている。

 地元の切実な声を受け、市は木の俣園地条例を3月の市議会定例会議に提出。原案通り可決された。

 条例は、同園地でのごみの投棄や、バーベキュー、たき火、花火、騒音を出すなどの行為、ペットの放し飼いを禁止する。違反者には1万円以下の過料を科す。さらに園地が最も混み合う7、8月は駐車場を有料化し、渋滞や路上駐車を解消するための人件費やごみ処理費用、園地の維持費に充てる。

 今後、条例が適用されない同園地周辺の自然に人が集まる恐れがあり、山口委員長は「有料化で園地周辺の自然豊かな場所にマナーが悪い客が流れるのでは」と話す。そのため条例だけに頼らず、地元で独自のパトロール隊を結成することも検討するとしている。