運慶作と伝わる光得寺の大日如来坐像(東京国立博物館提供)

 栃木県足利市の早川尚秀(はやかわなおひで)市長は21日の定例記者会見で、源姓足利氏2代目の足利義兼(あしかがよしかね)が鎌倉時代の仏師運慶(うんけい)に造らせたと伝えられる国重要文化財の「大日如来坐像(だいにちにょらいざぞう)」が32年ぶりに市内で展示されると発表した。7月30日~10月10日に市立美術館の企画展「あしかがの歴史と文化 再発見! -鎌倉殿の義弟 足利義兼の祈り 大日如来坐像-」で披露される。

 同像は同市菅田町の光得寺(こうとくじ)が所有する。市内で一般公開されるのは、市制70周年記念文化財展として、1990年11月に同市助戸中町の助戸公民館ホールで展示されて以来。その後、市内で公開されたことはなく、96年、東京国立博物館に寄託された。

 市によると、鎌倉時代前期に造られたとされる同像は義兼が晩年、仏道修行のため背負って歩いたといわれている。義兼の死後は、自身が創建した当時の樺崎寺に安置されたが、明治初期の廃仏毀釈(きしゃく)により、同じ宗派の光得寺に移されたという。

 今回の企画展は、市が同博物館に展示協力を求めて実現した。会場では同像だけでなく、「歴史と文化のまち足利」を再発見してもらうため、市出土の埴輪(はにわ)「童女」など同博物館が所蔵する15点を含めた計約400点が展示される予定。

 企画展に合わせて市の文化財をテーマにした観光ツアーや市内商業団体と連携した事業も予定している。

 開催期間は小中学生の夏休みや「いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会」とも時期が重なることから、早川市長は「市内の小中学生にわがまちの誇る文化を知ってもらい、国体で本市を訪れる方にも魅力を伝えたい」と話した。